不動産投資マーケット

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東京都心ビル総合収益率、5期ぶり上昇
―不動研調査、期待利回りも低下傾向に

2021.12.10

 日本不動産研究所は、オフィスビルのインカム収益率とキャピタル収益率を合わせた「総合収益率」をまとめた。半年に一度公表しており、21年6月末時点で東京都心5区に立地するオフィスビルの総合収益率は3.06%だった。20年12月時点の1.72%から上昇に転換した。上昇したのは...

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既存住宅の長期優良認定は22年10月から
─国交省、詳細要件やインセンティブ検討

2021.11.26

 良質な既存住宅を長期優良住宅として認定する制度が、22年10月1日にスタートする。既存住宅の場合、従来は性能が高くても増改築を行わない限り、長期優良住宅の認定を取得することができなかった。前通常国会で長期優良住宅促進法が改正され、優良な既存住宅を対象に、増改築なしでも「維持保全計画」を作成すれば認定される仕組みが創設された。国土交通省では...

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地価LOOK、変化小もゆるやかに回復
―住宅地、商業地より上昇地区の割合高く

2021.11.26

 国土交通省は19日、全国100地区の21年第3四半期(7月1日~10月1日)の地価LOOKレポートを発表した。上昇は40地区(前回35地区)、横ばい30地区(36地区)、下落は30地区(29地区)だった。100地区中93地区で変動率区分が変わらず、6地区が上方に移行、1地区で下方に移行した。国交省は「変化は小さいがゆるやかな回復傾向にはあると思っている」と説明する...

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政府、岸田内閣初の経済対策を閣議決定
―成長と分配、両面で住宅支援策盛り込む

2021.11.26

 政府は19日夕、臨時閣議を開き、岸田文雄内閣で初となる経済対策「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を決定した。コロナの感染拡大防止、ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と危機管理の徹底、「新しい資本主義」の始動、国民の安全・安心の確保の4つを柱とする、財政支出55.7兆円規模の経済対策。内閣府はこの経済対策に5.6%程度のGDP押上げ効果があると試算する...

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国交省、住宅ローン減税は0.7%控除
―固定資産税は増税分の半減措置導入を

2021.11.26

 国土交通省は、住宅ローン減税の見直しでは控除率0.7%への引き下げを要望していく。控除期間も15年(従来は10年を13年とする特例あり)に延長することを求め、支援縮小による住宅投資の冷え込みを回避したい考え。また、固定資産税は税額上昇分の半減措置の導入を求め、22年度税制改正大綱に盛り込むことを目指す...

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自民、経済対策の国交分野で主要事項
―脱炭素化まちづくり、住宅は子育て支援

2021.11.19

 自民党は15日、国土交通部会(小島敏文部会長)を開き、政府が19日にも閣議決定する経済対策の国土交通分野の主要事項を示した。岸田内閣にとって初となる経済対策は、コロナ対策と、岸田首相が掲げる成長と分配を両輪とする「新しい資本主義」が中心の施策集となる。喫緊の課題として、住宅分野の対策が成長戦略・分配戦略の両方に盛り込まれる。  経済対策は、①新型コロ...

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一般媒介にもレインズ登録の義務化を
─新経連が提案、国交省回答「対応不可」

2021.11.19

 新経済連盟(三木谷浩史・代表理事)が、一般媒介契約にもレインズへの登録義務化を求めている。内閣府は、規制改革・行政改革ホットライン(縦割り110番)に寄せられた提案に対し、新たに11月4日までに所管省庁から回答があった159件を公表した。新経連の提案がこのなかに含まれており、国土交通省は理由を付したうえで「対応不可」と回答している。  新経連は、レインズ登録が任意の一般媒介契約にも成約価格等の登録を義務化することのほか、専属専任・専任媒介に対す...

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デジタル田園都市国家構想会議スタート
―施策の全体像を年内にまとめ早期実行

2021.11.19

 政府は11日、第1回デジタル田園都市国家構想実現会議(議長=岸田文雄首相)を開いた。デジタル化により地方から新たな変革の波を起こし、地方と都市の差を縮める岸田首相の「デジタル田園都市国家構想」について、実現のための具体策を探る。  第1回は、若宮健嗣・デジタル田園都市国家構想担当大臣が今後の論点を発表した。同会議が検討すべき内容として、①地方の課題を解決するためのデジタル実装②デジタル人材の育成・確保③地方を支えるデジタル基...

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不動産ID、17ケタに統一の方向で検討
―国交省、不動産番号と特定コードを活用

2021.11.19

 国土交通省は10日、第2回「不動産IDルール検討会」を開いた。不動産IDを登記簿上の13ケタの不動産番号と4ケタの特定コードの合計17ケタに統一する方針が示された。不動産番号だけでは不動産を特定できない場合に特定コードを活用。土地や建物(戸建て)など、不動産番号だけで特定できる場合には、「0000」を便宜上付けて、17ケタにそろえる。  不動産IDは、情報元により表記方法にばらつきがある不動産関連情報に、物件を特定するIDの横串を通すことで、情報...

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国交省、不動産のS分野評価でたたき台
―22の評価分野、SDGsとの関係等整理

2021.11.12

 国土交通省は、不動産が社会課題分野にもたらす影響(インパクト)の評価手法の検討を進めている。5日に行われた「不動産分野の社会的課題に対応するESG投資促進検討会」の第2回では、評価分野と評価項目のたたき台が示された。ESG投資が重視される潮流にあるなか、社会課題(S)の解決により多くの投資が向かう環境整備を進める。  たたき台は、不動産のS分野の「評価...

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不動産仲介へのコロナ影響は縮小傾向
―全宅連調べ、賃料指数はマイナス続く

2021.11.12

 全国宅地建物取引業協会連合会の不動産総合研究所は、10月1日時点の不動産市況DI調査と、併せて行った4~9月の不動産取引における新型コロナウイルス感染症の影響に関する調査の結果を公表した。仲介件数への影響をみると、回答事業者のうち前年対比で減少したのは売買仲介が23%(前回20年7月調査時は54%)、賃貸が25%(48%)。賃貸物件でコロナの影響により賃料滞納や解約について申し入れや相談があった割合は、居住用物件が39%(62%)、事業用物件が34%(63%)で、コロナの影響は縮小傾向になっていることが分かった。  調査は全国の全宅連モニター会員へ...

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国交省、省エネ基準適合に向け論点整理
―特例で既存建築物の省エネ改修促進も

2021.11.12

25年度に新築住宅・建築物に対して省エネ基準の適合を義務付ける政府方針への対応のため、国土交通省は建築物省エネ法と建築基準法の改正に向けた議論を進めている。適合義務の対象が広がることで、適合のチェックを行う人員も必要になる。このほど行われた社会資本整備審議会建築分科会の建築環境部会・建築基準制度部会合同会議では、こうした課題への対応も含めた論点整理が行われた。  現行の建築物省エネ法で適...

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国交省、マンションの上半期着工低水準
―大規模物件の減少で、分譲戸建ては好調

2021.11.05

 国土交通省は10月29日、21年9月と21年度上半期(4~9月)の建築着工統計調査報告をまとめた。上半期の新設住宅着工戸数は44万5674戸(前年同期比7.6%増)で、過去10年で下から4番目の水準となった。このうち分譲マンションが5万1580戸(11.3%減)で、上半期としては過去10年で最低を記録した。同じ分譲でも一戸建ては7万1576戸(11.8%増)で過去10年では上から3番目の水準で好調。上半期の持家は14万8745戸(13.3%増)、貸家は16万9918戸(8.6%増)。  9月単月の新設住宅着工戸数は7...

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都、太陽光発電設置義務化の検討を開始

2021.11.05

 東京都は、住宅への太陽光発電システム(PV)搭載の義務化を含む「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例」の改正に向け、このほど都環境審議会と企画政策部会で検討に入った。年度内に5回ほど検討会を設け、来年度に中間案をまとめる。  都は30年までに温室効果ガス排出量を5割(2000年比)削減する「2030年カーボンハーフ」を目指している。検討事項は、「住宅等の一定の中小新築...

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路線価、1~6月までの相続に補正なし

2021.11.05

 国税庁は28日、7月1日に公表した21年分の路線価について、1月から6月までの相続等で補正は行わないことを発表した。この期間に、20%以上の大幅な地価の下落があった地域が確認できなかったため。7月から12月までの補正については、今後の地価動向を踏まえ、年明け以降に発表予定。  相続や贈与の資産評価に用いられる路線価は、1月1日時点の土地の時価(地価公示等を基にした価格)の80%程度を目途に設定される。年の途中で20%を...

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中古M売価、都23区は15カ月連続で上昇

2021.10.29

 東京カンテイがまとめた9月の中古マンションの売り出し希望価格(70㎡換算)によると、東京23区は前月比0.1%上昇の6435万円と、僅かながらも15カ月連続での上昇となった。前年同月比では10.4%の上昇だった。さいたま市は3197万円で、前月比3.1%上昇と主要都市のなかでも突出して上昇幅が大きかった。  首都圏は1都3県すべてで前月より上昇し、1.5%上昇の4305万円となった。前月比上昇は5カ月連続。前年同月比では15.6...

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建替え5分の4要件、条件付きで緩和か
―有識者研究会、要除却など合理性で判断

2021.10.29

 有識者や法務省、国土交通省などが参画する区分所有法制研究会(座長=佐久間毅・同志社大学大学院司法研究科教授)は、このほど行われた第6回会合で、区分所有法の建替え決議要件(5分の4以上賛成)の緩和の是非を議論した。方向としては緩和の意見が多かったが、5分の4から割合を単純に引き下げることに対しては慎重意見が多数を占めた。  研究会では現行の5分の4からの...

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建替え5分の4要件、条件付きで緩和か
―有識者研究会、要除却など合理性で判断

2021.10.22

 有識者や法務省、国土交通省などが参画する区分所有法制研究会(座長=佐久間毅・同志社大学大学院司法研究科教授)は、このほど行われた第6回会合で、区分所有法の建替え決議要件(5分の4以上賛成)の緩和の是非を議論した。方向としては緩和の意見が多かったが、5分の4から割合を単純に引き下げることに対しては慎重意見が多数を占めた。  研究会では現行の5分の4からの単純な引き下げのみを主張する声はなく、より建替えがしやすくなる合理性があ...

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新耐震以前のオフィスビルは全国で24%
―不動研、福岡40%・札幌36%と高シェア

2021.10.22

 日本不動産研究所は、今年1月時点の「全国オフィスビル調査」をまとめた。全都市のオフィスビルストックは1万3178㎡・1万572棟だった。新耐震基準以前のストックは全都市で3122万㎡・2947棟と、面積ベースでストック全体の24%を占めた。  調査対象は三大都市、政令指定都市などの「主要都市」(9都市)、オフィスが集積する「地方都市」(75都市)で、規模は延床面積3000㎡以上を対象としている。20年に新築されたのは225万㎡・64棟、同年に取り...

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C&W、世界のオフィス復帰率は約40%
―中国が96%と突出、東京は需給緩和続く

2021.10.22

クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は9月時点で世界のオフィスワーカーの約40%がオフィス勤務に復帰したとの調査報告書を公表した。グーグル社の人流解析結果などを踏まえて算出したところ、中国の復帰率が96%と突出して高く、欧州40%、米国34%、中国を除くアジア太平洋圏32%、カナダ27%などの結果が出た。同社は「22年第1四半期(1~3月)には過半のワーカーがオフィスに戻っている可能性がある」と展望している...

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中小ビル業況、今後1年大きな変化なし
―ザイマックス総研調査、中期では悲観も

2021.10.22

 ザイマックス不動産総合研究所は、早稲田大学建築学科の石田航星研究室と共同で、中小規模ビルのオーナーを対象としたアンケート調査を実施した。今後1年間の業況については好転も悪化もしないと考えるオーナーが約7割を占めた。一方、今後3年程度の短期的見通しや、5年以上の中期的見通しに関しては悲観派が3割超、楽観派が2割前後と悲観派の方が多かった。  回答したのは売上高30億円未満で...

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不動産を核に地域価値創造、実地調査へ
─国交省、課題の解決を制度面で後押し

2021.10.08

 国土交通省は4日、「『ひと』と『くらし』の未来研究会シーズン2」の第1回を開催した。不動産業者が他業種と連携しながら地域の新たな価値創造に取り組む方策を検討する研究会の第2期。全国各地の好事例の実地調査を行い、横展開を図るため、第2期初回ではフリーディスカッションを通して訪れる場所などの意見交換を行った。  研究会のコアアドバイザーは、青木純氏(ま...

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不動協・菰田理事長、岸田新内閣に期待

2021.10.08

 不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は、4日発足した岸田新内閣に対するコメントを発表した。コメントでは「総理が最重要課題としてデフレ脱却を掲げ、現在の成長戦略を堅持するとともに、コロナ後の新たな経済社会に向け『新しい日本型資本主義』の構築を目指すことは、まちづくりを通じて我が国の経済社会の発展に貢献しようとしている我々としても...

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国交省、新築Mにも管理認定制度を創設
―予備認定、デベと管理会社が連名で申請

2021.10.08

 国土交通省は、優良な管理が確保された新築マンションを認定する新制度を創設する。既存マンションに対しては、マンション管理適正化法に基づく同様の制度が22年4月にスタートする。新築マンションを対象にした制度も設けて同時にスタートさせることで、マンション全体の適正な管理推進につなげる。既存マンションを対象にした法律に基づく「管理計画認定制度」に対し、新築マンションの制度は「予備認定制度」とし、管...

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8月の新設住宅着工、7.4万戸に増加
―国交省、分譲戸建てが反動で25%増に

2021.10.08

国土交通省は9月30日、8月の「建築着工統計調査報告」を公表した。新設住宅着工戸数は7万4303戸(前年同月比7.5%増)となり、6カ月連続で増加した。新設住宅着工床面積は614.7万㎡(12.5%増)で5カ月連続の増加。  分譲住宅は1万9936戸(前年同月比5.3%増)で2カ月連続で増加した。うちマンションは7968戸(15.0%減)で前月の増加から再び減少に転じた。首都圏は4267戸(13.1%減)、近畿圏1183戸(32.0%減)、中部圏111...

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Jリートの上期分配金、成長率0.9%
―三井住友T研調べ、4期連続で成長鈍化

2021.10.08

 三井住友トラスト基礎研究所がJリート全銘柄の公表データを分析した21年上期(1~6月)の「Jリートレビュー」によると、対象銘柄の中央値でみた分配金の成長率は4期連続で鈍化した。前年同期比0.9%のプラスとなったが、20年下期(+1.7%)を下回った。前期(20年下期)と同様に6割の銘柄がプラス成長だったが、過半の銘柄で成長率が縮小した。  ホテル銘柄のマイナス成長がさらに悪化し、稼働率の低下を背景にオフィスや住宅銘柄の成長率も鈍化した。1口当たりNA...

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「通勤とテレワーク複合型」希望が5割
―ウィーワーク、コロナ下の働き方調査

2021.10.01

 オフィス勤務とテレワークを組み合わせた「ハイブリッド型」の働き方を望む就労者が5割に上ることが、ウィーワークジャパン合同会社(東京・港区、ジョニー・ユーCEO)のアンケート調査で分かった。コロナ下でオフィスへの出社にこだわらない柔軟な働き方が広がるなか、回答者の8割が働く場所や時間を自分で決めたいと考えていることも判明した。  調査は7月28~30日にオンラインで実施。首都圏など...

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売物件の成約数は前年の反動で12%減に
―8月の4レインズ、在庫減は16カ月連続

2021.10.01

 不動産流通推進センターは全国の指定流通機構のレインズシステムにおける8月の活用状況をまとめた。売り物件の成約報告件数は前年同月比12.8%減の1万3703件で、同18.8%増と好調だった20年の反動減となったが、19年比では3.6%増と高水準を維持した。売り物件の新規登録件数と総登録件数は8月も前年同月比2ケタ減となり、在庫の減少が続く。  売り物件の成約件数の詳細をみると、マンションが...

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21年都道府県地価調査、2年連続で下落
―コロナの影響は住宅地軽微、商業は重く
―地方四市は上昇続く、住宅は上昇幅拡大

2021.10.01

 国土交通省は21日、都道府県地価調査(21年7月1日時点、基準地数2万1443地点)を公表した。全用途平均は前年比△0.4%(20年△0.6%)となり、2年連続で下落した。新型コロナウイルスの感染拡大がもたらした地価の下落傾向は、依然として商業地に色濃く出た。一方で、三大都市圏で名古屋のみV字回復をみせるなど、新たな動きもみられた。  全国的に地価下落は継続したが、用途別でみると...

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政策の総動員で経済の着実な回復が必要
―業界トップ、長期的な視点で事業推進

2021.10.01

 今回の都道府県地価調査の結果を受け、不動産業界の主要団体・企業のトップはコメントを発表した。前年の下落から地価には持ち直しの動きも見られたが、コロナ禍で傷んだ日本経済の本格回復に向けた政策の総動員を求める声が寄せられた。企業トップからはコロナ収束後の事業展望への言及もあった。  菰田正信・不動産協会理事長 我が国経済が、一部で持ち直しの動きが見受けられるものの、コロナ禍の影響により依然として非常に...