国交省、不動産のS分野評価でたたき台
―22の評価分野、SDGsとの関係等整理
国土交通省は、不動産が社会課題分野にもたらす影響(インパクト)の評価手法の検討を進めている。5日に行われた「不動産分野の社会的課題に対応するESG投資促進検討会」の第2回では、評価分野と評価項目のたたき台が示された。ESG投資が重視される潮流にあるなか、社会課題(S)の解決により多くの投資が向かう環境整備を進める。
たたき台は、不動産のS分野の「評価分野」に対応した「SDGs目標」と、評価分野の「社会課題」及び「評価テーマ」、対応する既存の評価制度「評価項目例」の5つを紐づけて一覧にして整理した。たたき台が示した評価分野は全22分野。例えば、評価分野「健康づくり」の場合、SDGs目標の3番「すべての人に健康と福祉を」に対応し、解決を目指す社会課題は「健康な暮らしの実現」、評価テーマは「健康で安全・安心な生活環境の整備」となる。評価項目例は「CASBEEウェルネスオフィス、DBJ Green Building、WELL Building Standard」とした。
21年度は、たたき台をもとに統合できるカテゴリや新たな追加カテゴリなどを議論する。22年度に具体的にどのような手法で評価を行うか検討する。評価手法は、投資に慣れた大手不動産会社だけでなく、地方の課題解決に不動産クラウドファンディングが活用される場合も想定し、地域の出資者にも分かりやすいものとすることを目指す。
検討会では、国内事例の調査も進める。委員による事例紹介も行われ、第2回は三菱地所レジデンス、都市再生機構、CSRザイン環境投資顧問、ヤマガタデザインが事例紹介を行った。
2021.11.12