地価LOOK、変化小もゆるやかに回復

―住宅地、商業地より上昇地区の割合高く

 国土交通省は19日、全国100地区の21年第3四半期(7月1日~10月1日)の地価LOOKレポートを発表した。上昇は40地区(前回35地区)、横ばい30地区(36地区)、下落は30地区(29地区)だった。100地区中93地区で変動率区分が変わらず、6地区が上方に移行、1地区で下方に移行した。国交省は「変化は小さいがゆるやかな回復傾向にはあると思っている」と説明する。

 今回上方に移行したのは、住宅地がさいたま市新都心と千葉県浦安市新浦安の2地区で、商業地は仙台市中央1丁目、千葉県船橋市船橋駅周辺、富山市富山駅周辺の3地区。これらの5地区は前回の横ばいから上昇0~3%に移行した。東京・新宿区歌舞伎町も上方に移行したが、前回の下落3~6%から下落0~3%への移行だった。

 住宅地2地区はともにマンション販売が堅調で上昇した。商業地4地区の上昇は再開発事業の進展によるもの。一方、変動率区分が下方に移行した1地区は東京・中央区日本橋で、前回の横ばいから下落0~3%となった。中央区日本橋ではオフィスの募集賃料の下落がみられた。

 用途別では、住宅地は全32地区のうち上昇26(前回24)、横ばい6(8)、下落0(3期連続0)。商業地は全68地区のうち上昇14(11)、横ばい24(28)、下落30(29)だった。住宅地が商業地より上昇地区の割合が高くなった。エリア別で見ると東京圏は上昇17(14)、横ばい14(18)、下落12(11)。大阪圏は上昇8(同)、横ばい6(同)、下落11(同)。名古屋圏は上昇6(同)、横ばい3(同)、下落0(同)。地方圏は上昇9(7)、横ばい7(9)、下落7(同)。

2021.11.26