22年度の与党税制改正大綱が正式決定
―斉藤国交相、ローン減税等の措置に期待
22年度与党税制改正大綱が10日夕、決定した。住宅ローン減税は控除率を0.7%に引き下げる一方、控除期間は原則13年に延長する。借入限度額は3000万~5000万円で、省エネ性能の高い住宅ほど借入限度額が高くなるよう設計。固定資産税は商業地に増税分を半減する負担調整措置を導入する。
住宅ローン減税には、政府の脱炭素化の方針が色濃く反映された。新築・買取再販物件は、省エネ性能の高い順に借入限度額に差を付けるとともに、24年以降に建築確認を受ける住宅は、省エネ基準に適合しなければ住宅ローン減税の対象外とすることも決めた。既存住宅(仲介物件)は、①高省エネ性能の住宅は借入限度額を1000万円上乗せして3000万円に②築年数要件を廃止し82年以降建築の住宅を対象とする―の2つが改正ポイント。
既存住宅は、従来は耐火住宅(マンション)は25年、非耐火住宅(戸建て)は20年より古ければ耐震基準適合証明書が必要だった。同証明書の取得には安くても数万円かかり、購入者の負担になっていたが、22年から不要になる。土地の固定資産税と都市計画税には、商業地の課税標準額の上昇幅を評価額の2.5%(現行5%)とする新たな負担調整措置を設ける。ただしこの措置は「22年度に限り」と明記された。
同日の定例会見で斉藤鉄夫・国土交通大臣は、住宅ローン減税に対し「中間層における良質な住宅の取得が推進され、経済再生に貢献することを期待」、固定資産税の新たな負担軽減措置には「厳しい状況にある事業者の経済活動や経済回復が進むことを期待する」と、それぞれへの期待を語った。
2021.12.17