APAC22年投資総額は20.4兆円予想

―C&W、オフィス床の需要は23年に回復

 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)はアジア太平洋地域(APAC)における不動産市場の動向を予想する報告書を公表した。

 同圏域の経済はインドなどが牽引役となり回復基調で、賃貸オフィスの床需要は23年にはコロナ禍前と同水準に戻ると予想。来年の不動産市場の取引総額は19年実績と同規模の約20.4兆円になると展望している。C&Wの報告書「アジア太平洋不動産市場の見通し2022」では、APACの実質GDP成長率は22年に年率4.5%程度になり、同年下期には米州に代わり地域別経済成長率の首位に立つと予想する。

 インドのGDP成長率が年率9%超と突出して高い。ただ香港や、シンガポール以外のASEAN諸国などは経済成長が鈍いと指摘している。一方、賃貸オフィス市場も回復基調だ。APACでは欧米のように在宅とリモートを併用する「ハイブリッド型」の勤務形態が広がりにくく、コロナ禍以降に世界で唯一、オフィスのネット・アブソープション(吸収需要)がマイナスにならなかったという。具体的には圏域全体の数値は20年から21年にかけて約94%も上昇した。

 21年末時点の予測では中国の北京や上海、インドのバンガロールなどの数値が特に大きく、22年は圏域全体の床需要が前年比1700万平方フィート増の7200万平方フィートに拡大すると分析。ただインドの複数都市で空室率が大きく上がる見通しで、圏域全体の空室率は23年に18%に達すると展望している。22年の不動産投資総額は19年並みになると予想。1件当たりの額が小さい産業用不動産の取引事例が増えており、取引総額は伸び悩む可能性もあるという。

2021.12.17