和田・国交省総政局長が経済対策で会見

―住宅分野、脱炭素と子育て支援で方向性

 岸田文雄内閣初の経済対策とその足がかりとなる補正予算案の閣議決定を受け、経済対策の国土交通省分野を所管する総合政策局の和田信貴・局長が29日、専門紙記者会の会見に応じた。

 経済対策では、住宅分野で省エネルギー基準の適合義務化など住宅・建築物分野の脱炭素化に資する法案の次期国会提出を目指すことが明記されたほか、脱炭素化の具体策として「既存住宅の断熱リフォーム支援」が挙げられた。また、「こどもみらい住宅支援事業」も措置され、子育て世帯・若者夫婦世帯の省エネ住宅取得を支援することも盛り込まれた。

 経済対策での住宅の脱炭素化施策について和田局長は、「全体の姿を示すことができた。(住宅の省エネ基準適合義務化など)厳しいこともやっていくわけだから、補正予算でも既存住宅や新築住宅の省エネ性能の高いものについて、補助制度をうまく仕組んでいくことができたのではないかと思っている」と手ごたえを語る。

 子育て支援は、「経済対策に取り組んでいくうえで総理大臣指示のなかにあった大きな要素。UR賃貸住宅での親との近居支援など、これまでやってきたことのパワーアップも行う。子育てとの関係で住宅は今後も考えていかなければいけない要素は大きい。そういう意味で良いスタートになっている」(和田局長)。経済対策の子育て支援には「住宅ローン減税等の住宅投資促進策」が入っている。税制改正の焦点となっている住宅ローン減税の控除率引き下げについては「若い世代が住宅を買うのが大変になっているのは社会的事実でローン減税の必要性は皆認知している。税の掟のなかでどう支援していくかだ」との考えを示した。

2021.12.03