政府、岸田内閣初の経済対策を閣議決定

―成長と分配、両面で住宅支援策盛り込む

 政府は19日夕、臨時閣議を開き、岸田文雄内閣で初となる経済対策「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を決定した。コロナの感染拡大防止、ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と危機管理の徹底、「新しい資本主義」の始動、国民の安全・安心の確保の4つを柱とする、財政支出55.7兆円規模の経済対策。内閣府はこの経済対策に5.6%程度のGDP押上げ効果があると試算する。

 新しい資本主義の柱で、成長戦略の分野として国民のライフスタイルの脱炭素化に向けた転換を掲げる。具体策として、地域材の安定的な活用促進等を含む地域型住宅グリーン化事業(国土交通省)が入った。国交省が従来から取り組んでいる事業で、中小工務店などのZEH整備を支援するもの。地域材を使用する場合に補助金の加算がある。このほか、既存住宅の断熱リフォーム支援及び建物等の高機能換気設備導入・ZEB化支援(環境省、文部科学省)などが記された。

 地方からデジタル化実装を進める「デジタル田園都市国家構想」も成長戦略の一部。データセンターの地方拠点整備(経済産業省)、地方創生テレワーク交付金などのデジタル田園都市国家構想関連交付金(内閣府)、3D都市モデル整備等によるスマートシティ・スーパーシティ推進(国交省)などの施策で挑む。

 新しい資本主義の柱には成長戦略と両輪の分配戦略も含まれる。「こども・子育て支援」の推進が分配戦略と位置付けられ、住居費支援策として、国交省所管の住宅ローン減税等の住宅投資促進策、こどもみらい住宅支援事業、UR賃貸住宅を活用した近居による子育て支援、セーフティネット登録住宅を活用した子育て支援などが入った。

2021.11.26