国交省、「疑わしい取引」事例で改定案

―6団体に通知、暗号資産の高額売買など

 国土交通省は資金洗浄やテロ資金供与などの可能性がある不動産売買の「疑わしい取引」について、宅地建物取引業者が国に届け出を行う際の判断基準となるチェックリストの改定案をまとめた。疑わしい取引の例として、買い手が金融機関を介さずに暗号資産で身の丈に合わない高額物件の購入を望む場合や、資金洗浄対策などに非協力的な国の法人・個人との契約、同一人物が申込書や売買契約書など関連書類に異なる名前を使おうとするケースなど44点を挙げた。事例を追加した上で10月中にも成案化し、施行する予定だ。

 国交省は改定案を不動産協会や不動産流通経営協会ら関係6団体に通知した。同案には、疑わしい取引を国に届け出た上で契約を交わしても問題ないことと、宅建業者の自主判断で契約締結に至らなかった場合も届けを出すことを明記した。疑わしい取引か否かの判断に迷う場合や、点検表に一つでも該当する場合などは疑わしい取引に該当するものと判断し、確実に届け出るよう宅建業者らに求めている。

 疑わしい取引の判断材料として、▽現金の使用形態▽真の契約者を隠匿している可能性▽取引の特異性(不自然さ)▽契約締結後の事情▽外国との取引―に着目する案を提示した。現金の使用形態では、過去の取引実績に比べ高額な物件を現金で買おうとするケースに加え、金融機関を介さない取引、暗号資産を用いた取引を望む場合を新たに記載した。取引の特異性では、同一人物が短期間に多くの宅地・建物を売買したり、遠隔地の顧客が地縁のない場所の業者を利用したりする場合などを挙げた。契約書を残したがらない、面会に応じないといった行動や、海外の要人が居住用なのに滞在予定がない物件を買うケースも記載した。

2026.09.11