内閣官房、国土強靱化年次計画を策定

―密集市街地の再整備など405施策盛る

 内閣官房は国土強靱化推進本部(本部長=高市早苗内閣総理大臣)を開き、「国土強靱化年次計画2026」を策定した。大規模災害の被害を未然に抑え込む「事前防災投資」を重視し、405の施策と883の指標を設定。総合計画やまちづくり計画などと連動させ強い地域を作る事業を具体化した。不動産関連では、密集市街地の改善や企業本社の地方移転.拡充、データセンターの地方分散と送電網の強化など危機回避を図るための事業を盛った。地理空間情報や地籍調査の活用などデータの有効利用も明記した。

 国交省が主に手掛ける事業では、自然災害での直接死を防ぐ観点で地震.噴火情報などの高度化や、住宅と建築物の耐震化、津波対策などを推進。地震の際などに火災の危険性が高い密集市街地では老朽建築物の解体や改築を促す。老朽化したマンションの再生や都市公園、地下街の耐震化も急ぐ。大規模盛土造成地の危険性を把握する作業も進める。基幹インフラの整備では鉄道施設の耐震化、市街地の緊急輸送道路の無電柱化対策などを展開。円滑に復興を進める備えとして建設業の担い手確保にも投資する。

 昨年6月に決めた第1次国土強靱化実施中期計画を着実に進める方針も併記した。中期計画では30年度までの5年間に総額20兆円強の投資を想定。初年度の26年度分は約4.1兆円(うち国費1.9兆円)を確保した。地震の被害を抑える観点で住宅の「耐震改修の低コスト化に向けた検討」を進めることなども記した。

 政府が検討している成長戦略で「防災.国土強靱化」は17の戦略分野の一つと位置付けられている。防災.減災対策をコストではなく投資と位置付け、経済成長につなげるためのバネにする考えだ。

2026.07.10