
訪日需要減、ホテルへの影響は限定的か
―三井住友トラスト研、国際情勢の変化受け分析

訪日需要減、ホテルへの影響は限定的か
―三井住友トラスト研、国際情勢の変化受け分析
三井住友トラスト基礎研究所はこのほど、「国際情勢の変化がもたらすインバウンド需要減少リスク」と題したレポートをまとめた。観光需要は国際情勢に左右されやすく、不動産セクターでは特に商業施設やホテルへの影響も懸念される。ただ訪日需要は国籍・地域で異なる特徴を持っているため、ホテルへの影響は総じて小さく、一部の商業施設では大きくなりやすいと分析した。
25年は訪日外国人客数・消費額が過去最高だった。一方で、25年11月以降の中国人訪日客の減少や、イラン情勢緊迫化などの影響があり、商業施設やホテルのインバウンド需要減少リスクが表面化した。
ホテルの外国人延べ宿泊者数の構成比は、42都府県でアジア客が5割以上を占め、東京都心部などに限らず地方にも広く分散。欧米豪からの来日客が多い地域は、直行便の多い東京、千葉に加えて広島、京都、石川、奈良など。日本の文化、歴史、自然を含めた体験消費志向のニーズに合うエリアが多かった。
インバウンド消費額とその国籍別消費額の推移をみると、中国が最大の消費国でアジア圏全体の占める割合も6割強と大きい。ただ、欧米豪やその他国籍の消費も計4割近くに増加。特定の国籍・地域への依存度が低下してリスク分散が進んだとみている。
費目別の消費額では、アジア客全体で買物代や飲食代が多く、欧米豪客は、宿泊費や娯楽等サービス費など体験消費に関心が高かった。そのため、アジア客の消費減は他地域からの来日客などでは補えず、商業施設への悪影響につながりやすい。一方で、ホテル宿泊客は欧米豪からの訪日客が減少しても、他地域やアジア客による代替が一定見込まれるという。
2026.04.17