26年地価公示、都心は高い上昇が継続

─建築費高騰、地方の住宅需要が減退傾向

 国土交通省は、26年の地価公示(1月1日時点)を公表した。全国の地価は全用途平均+2.8%(前年+2.7%)の上昇。住宅地、商業地とも5年連続で上昇が継続した(表1)。地価は全国的に引き続き高い状況にある。一方で、上昇の勢いをみると、22年から前年を上回る上昇を続けていた住宅地は横ばいとなった。建設コスト上昇に伴う住宅価格の高騰を背景に、価格上昇を吸収できる購買力がある都心を除き、上昇幅の縮小が目立つ地点が増えてきた。

 地価が継続的に高い上昇を示したのは、都心の利便性の高い地点。富裕層が多く、建設コストの価格転嫁を受容できるエリアだ。住宅地の上昇率(変動率)全国トップ10(表2)のうち、4位と6~10位を都内のマンション人気が高い地点が占めた。国交省はこれら6地点について、「供給が限られている都心にあって、土地の希少性が高く上昇幅は拡大した。富裕層需要が非常に強くみられる。供給側からすれば建築コストを加味しても販売できる状況にある」と話す。

 ほかは白馬(長野県)や富良野(北海道)といったインバウンドを含めた観光需要が強いリゾート地がランクインしている。別荘やコンドミニアム、移住者、地元の従業員向け住宅に旺盛な需要がみられる。

 東京都心の住宅地の地価上昇は、都道府県別でも明確になった。東京都の住宅地の上昇率は+6.5%(前年+5.7%)で、08年以来18年ぶりに全国トップとなった。 

 建設コスト上昇の地価への影響は、住宅では供給側の供給を控える動き、需要側では買い控えの動きという形で表れ、地価上昇率の鈍化が広がりつつある。特に地方4市ではこうした動きが明確だ。

◎札幌、仙台、福岡は住宅の売れ行き鈍化

 札幌市の住宅地は+1.1%(+2.9%)。住宅価格の上昇や路線バス便減少によって住宅の購買意欲の抑制が起きている。中央区周辺部で横ばい.下落地点が増え、全体の上昇幅が縮小した。周辺市でも住宅需要が弱まり横ばい・下落地点が増加している。仙台市住宅地も+4.3%(+6.3%)に上昇率は縮小。住宅価格高騰で買い控えが起き、横ばい・下落地点が増え全体の上昇率は低下した。福岡市の住宅地は+7.0%(+9.0%)。高い上昇が続くも、多くの地域で住宅の売れ行き鈍化が起き、上昇幅は縮小している。4市のうち広島は、これまでの上昇がゆるやかだったこともあり、引き続き値ごろ感のある住宅地域の需要が牽引し+2.7%(+2.4%)と前年を上回る上昇を見せた。

2026.03.27