全日、不動産業の担い手確保へ実態調査

―働く環境を改善へ、社会貢献性広める

 全日本不動産協会(全日)は、専属研究機関の「全日みらい研究所」による不動産業界の働く環境に関する実態を調べたレポートを公表した。業界での勤務経験のない一般層2000人を対象に調査して、全日の会員に実施した事前調査と比較して課題を抽出し、会員の取り組み事例とともに業界の魅力を周知する。

 不動産仲介業で働くことについて「興味がある」は5・15%にとどまり、「どちらかというと興味がない」「興味がない」は合計で80%を上回った。興味がある層に理由を質問すると「給料が高い」が35・2%で最多。他に「成果主義」も23・5%などの回答が多かった。不動産仲介業で働きたくない理由を聞いたところ、最も多い回答から順に「仕事内容が魅力的でない」「成果主義」「休日・労働時間が適切でない」と並び、それぞれ25%ほどだった。

 全日は調査の分析から、働き方・休み方の見直しに加えて、社会貢献性を含めた仕事の魅力を広めていく方針だ。会員の事例では、朝日リビングのワークライフバランスを保つ働き方や、旧三福不動産の小田原における地域ブランディングを取り上げた。

 全日では業界の未来に向けて、13日に開幕した日本国際博覧会(大阪・関西万博)で、「大阪ヘルスケアパビリオン」に出展している。宅地建物取引業者の未来について、単身世帯が増加する今後の日本社会で地域に密着して人々をつなぐ「みんな暮らし」を支援する役割を果たしていくビジョンを発信している。加えて、スマートフォンアプリ上で事前公開された「バーチャル大阪パビリオン」で、みんな暮らしの街や住まいも展示した。普段は、不動産業に親しみのない若年層などからも反響があったという。

2025.04.18