
不動研、24年下期の取引額は3・2兆円
―下期で過去最高、オフィスやホテル好調
不動研、24年下期の取引額は3・2兆円
―下期で過去最高、オフィスやホテル好調
日本不動産研究所は24年下期(7~12月)の不動産取引市場調査の結果をまとめた。取引金額は約3・2兆円と、下期ベースでは調査を始めた01年以降で最高額になった。アセット別の割合では出社率が高まるなど賃貸需要の改善が好感されオフィスが全体の3割弱を占めたほか、ホテルの取引も2割弱と過去最大のシェアになった。外資系プレーヤーの取引も増加。外資ファンドの大型取引が相次いだことなどから取得金額、買越額ともに過去最高を更新した。
集計の対象は法人やJリート、証券化対象の不動産関係者が関わった投資用不動産・事業用不動産などの取引事例。個人の住宅取得や投資取引は除いている。上期も含めた現時点での最高額は24年上期(1~6月)の3・9兆円。今回公表した24年下期の実績は、従来最も多かった07年上期の約3・1億円を上回り、通期で過去2番目の規模だった。13年上期以降、概ね2兆円を超える底堅い市況が続いている。
24年下期はオフィス、ホテルのほか物流施設、レジデンスの取引も多かった。取引主体別では24年に入り私募リートが存在感を増した。通年でJリートの買い越しが続いた一方、私募リートの買い越し額がJリートを上回る規模になった。外資系ファンドを中心にSPC(特別目的会社)やAM会社らも買い越しに転じ、一般事業法人も売りと買いがほぼ拮抗するなど「各プレーヤーとも投資意欲が旺盛で群雄割拠の状態が続いている」(市況モニタリング室)という。
24年下期は外資の取引増加が目立った。外資の取得金額は22年上期に約1・0兆円と過去最高額となったが、その後は金利上昇への警戒感や海外不動産市場の景況悪化などを受け取得量が減少。24年上期まで売り越しの状態が続いたが、下期は一転して大型取引が増えるなど復調した。
2025.04.11