
国交省、空き地管理ガイドラインを策定
─自治体向け、行政代執行のポイント解説
国交省、空き地管理ガイドラインを策定
─自治体向け、行政代執行のポイント解説
国土交通省は、「空き地の適正管理及び利活用に関するガイドライン」を公表した。空き家だけでなく空き地も近年増加し、対応に苦慮している地域は多い。地方自治体や地域の団体が、空き地の適性な管理と利活用に取り組む際に参考となる初の指針。多数の先進的な取り組み事例を紹介し、解決策を提示した。
国交省の土地基本調査によると、世帯が保有する空き地の面積は、08年の632k㎡から10年後の18年には1364k㎡へと2倍以上に増えた。約6割が65歳以上の高齢者世帯の所有で、取得原因は相続・贈与による取得が約4分の3を占める。空き地は今後も一層増加する見込みだ。国交省が24年2月に全1741市区町村を対象に実施した土地利用に関するアンケートでは、空き地は農住混合地域・郊外住宅地・駅周辺・中心市街地など、あらゆる地域で満遍なく発生していることも把握された。
指針はこうした空き地の現状に加え、これまで各地で制定されてきた空き地に関する条例も整理し分析している。また、確実に管理不全状態の解消を図ることができる行政代執行については、法的な整理と実際の運用ポイントを解説した。行政代執行は強力な手段であるものの、ハードルが高いと認識している自治体は多い。これまでの判例をもとに、行政代執行での所有者等への費用徴収の留意点も詳しくまとめた。
国交省は、空き地の利活用の基本的な考え方として「土地の宅地化の抑制」を掲げている。宅地は農園や菜園など、グリーンインフラへの利用転換を推進する。都市部の低未利用土地の場合は、居住・事業用地へと適切に再利用し、農地や森林などから住宅地への転換は抑える。
2025.04.11