報酬引上げで800万円以下の取引増加

─国交省がレインズデータから独自調査

 24年7月に売買取引の媒介報酬が引き上げられてから、成約価格800万円以下の取引が全国的に増加していることが分かった。国土交通省が指定流通機構(レインズ)の成約情報から独自に調査した。媒介報酬の引上げが実施された翌8月から5カ月連続で、対象価格帯の成約件数が地方部も含めて前年同月実績を上回った。媒介報酬の引上げが空き家を含む低額物件の取引活性化に一定の効果を果たしている。

 全国と地方の既存戸建て住宅・土地の成約件数を、価格別に「800万円以下」と「全体」に分け、前年同月比の推移を調べた。全国・地方とも、800万円以下の成約件数が、24年8~12月まで前年同月を上回った。24年8月以前は、800万円以下の物件は全体の成約件数に比べると少ない傾向があった。24年9月からは、800万円以下の成約件数の前年同月比が、全体を上回っていた。調査結果は近く公表する方針。

 国交省はポータルサイト運営業者にもヒアリングを実施した。足元の状況について、「800万円以下の戸建て住宅の登録数が、全体より明らかに傾斜がついて伸びている」との声があった。別のポータルサイト運営業者は、「新潟県湯沢町の低廉なリゾート物件の売り出しチラシを見ると、媒介報酬の特例に基づく上限が引き上げられた100万~200万円の物件が多く掲載されていた」と答えた。

 地方の空き家は安い。媒介報酬も少なくなり、不動産業者がビジネスで扱いづらいものになっていた。国交省は24年6月に「不動産業による空き家対策推進プログラム」を発表。その一環で、物件価格800万円以下の売買取引の媒介報酬を、従来の最大18万円から「最大33万円」に引き上げる特例を設けた。

2025.02.21