
国交省、不動産の引取サービスに懸念
──通常の売買とは異なる取引の実態を調査
国土交通省は、空き家の増加に伴い近年増えつつある新業態「不動産の引取サービス」の動向を注視している。不動産の管理や売却の手間を負担に思う所有者が「引取料」などとして金銭を支払い、事業者が引き取る、通常の売買とは異なるサービス。14日に開かれた第42回社会資本整備審議会産業分科会不動産部会で、国交省は引取サービス事業者の調査結果を報告。宅地建物取引業法の規制が及ばない場合も多いとして、警戒感を示した。
国交省の調査によると、引取サービスを行っている事業者の数は59社あり、うち38社が宅建業者だった。引取料は事業者により15万~500万円とばらつきがある。引き取った不動産は再販されていることも確認した。自主的に取引の安全性を確保しようという動きもある。23年に引取サービスを手掛ける事業者が任意団体「不動産有料引取業協議会」を設立(24年12月時点5社参加)。法令順守を目的とした行動指針や安全基準を公表するなど、自主規制に取り組んでいる。
国交省はこれらを踏まえたうえで、所有者ニーズに応じたサービスであり、円滑に行われる分には問題はないととらえる。一方で、引取料を支払ったにもかかわらず事業者が所有権移転登記を行わなかったり、本来なら適正価格で売却可能なものまで引取サービスにまわされたりする事態が起きないか、懸念を示した。
不動産部会の委員からは、「引取サービスが広がることが予想されるのであれば、対応を考えておいたほうが良い。宅建業法にただちにはひっかからなくとも、引き取った事業者がどうしているのかが重要。出口として転売するなら宅建業法が関わってくる」と対応を求める声があった。
2025.02.21