マンション建替え後の高さ規制、緩和へ

─国交省、住戸面積基準は撤廃含め検討

 国土交通省は、マンションの建替えを一層推進するための施策を総合的に打ち出す。今国会にマンション建替え円滑化法の改正案を提出し、建替え後の高さ制限を緩和する特例を設ける。隣接地を含めた建替えもしやすくする。また、建替えでネックになっていた、建替え後に必要となる面積要件についても、今後撤廃も含めた議論を始める方針だ。

 国交省が3月上旬に国会提出予定の円滑化法改正案には、耐震性が不足しているマンションなどを建替える場合に、高さ制限(斜線規制)を緩和する特例を盛り込む。マンションが所在する市町村などの特定行政庁が、周囲に悪影響が無いことを確認したうえで緩和する。国交省は、悪影響が無いか判断するための考え方を今後ガイドラインなどとしてまとめ、特定行政庁向けに示すことを検討している。

 円滑化法改正案には、多様なニーズに対応した建替えを推進するための方策が多数盛り込まれる。高さ制限の緩和特例のほか、隣接地の所有者をマンションの建替えに参加しやすくする手法も盛り込む。隣接地の所有権を、建替え後のマンションの区分所有権に変換することが可能になる。容積確保のため、隣接地の取り込みでの合意形成を促進する。

 また、原則50㎡とされている建替え後の住戸面積基準も、縮小の方向で今後具体的な検討を始めることが分かった。この住戸面積基準は省令で定められているため、法改正の必要はない。国交省は、撤廃も含めて、今秋ごろまでに住戸面積基準の今後の方針を示す考え。

 円滑化法改正案は、建物・敷地の一括売却や一棟リノベーションなど、新たなマンションの再生手法の事業手続きも定める。

2025.02.07