木造建築物の耐久性評価にガイドライン

─国交省、適切な減価償却期間の設定へ

 国土交通省は、木造非住宅建築物の耐久性を第三者が評価する場合の基準「木造建築物の耐久性に係る評価のためのガイドライン」を公表した。中大規模木造建築物に、より適切な減価償却期間の設定を促すのがねらい。建築事業者や建築主、金融、会計、投資分野の関係者の相互連携を進め、木造建築物の普及と市場価値の向上を目指す。

 ガイドラインが評価対象とするのは、新築の木造の非住宅建築物。共同住宅を含む木造住宅は、住宅性能表示制度により評価する。ガイドラインの評価基準は、住宅性能評価の基準を参考に、①構造躯体の内部への雨水の侵入防止②雨水の侵入があった場合の速やかな排出③雨水が侵入し滞留した場合の構造躯体への防腐・防蟻処理等─の3点。例えば①の場合はカーテンウォールなどによる雨水の遮断ができているか、②の場合は外壁の通気層による雨水の速やかな排出ができているか、③の場合は薬剤処理による木材の腐朽等の防止がなされているかなどをチェックする。

 中大規模の木造建築物の普及のためには、融資面などで減価償却期間が適切に評価されることが重要だが、現状では具体的な期間を規定した指標は税制上の法定耐用年数しかない(木造24年、鉄筋コンクリート造50年)。そのため、金融機関で木造建築物の建築費に対する融資は、償却期間が短いものとして取り扱われ、融資期間も短く設定される。

 ガイドラインの措置が適切に講じられていれば、大規模な改修工事が必要となるまでの期間を50年以上伸長するため必要な措置が講じられていると評価する。評価は、登録住宅性能評価機関(募集により今後決定)が行う。評価申請受付開始は25年4月以降の予定。

2025.01.24