健美家、不動産投資家の意識調査を実施

―金利、建築費・資材費上昇の懸念が半数

 LIFULLグループの健美家は、不動産投資の経験者350人を対象とした不動産投資戦略に関する意識調査を実施した。不動産投資における懸念は、投資家全体で最多から「金利の上昇」の54・9%、「建築費・資材費の高騰」の50・0%、「利回りの低下」が49・7%とほぼ半数で並んだ。投資戦略では「借入比率を下げて自己資金を厚くする」が最多の27・7%で、次に「所有物件の賃料を上げる」の24・3%が続き、資金計画や賃料を見直す防衛的な傾向がみられた。

 年収別では、「1500万円~3000万円未満」「3000万円以上」はいずれも「金利の上昇」「利回りの低下」など金融関連と、「建築費・資材費の高騰」が主な懸念だった。投資戦略は「所有物件の賃料を上げた」が「1500万円~3000万円未満」で約3割、「3000万円以上」では45・5%と半数近く。更に「3000万円以上」からは「都心部の資産価値重視(インカムよりキャピタル狙い)にシフトした」の回答が4分の1ほどを占め、ポートフォリオを積極的に組み替える動きがあった。

 年収1000万円未満の層では、懸念として「500万円未満」から「修繕費・管理費の高騰」が60・0%で突出して多い。加えて、「建築費・資材費の高騰」「物件価格の高騰」といった懸念の声が多く、購入・運営における支出増加による負担がうかがえた。投資戦略では、「購入自体を一時中断し、様子見」といった回答や「地方の高利回り物件を狙うようになった」などがあり、低価格帯の物件へシフトしている動向がみられた。調査では、年収帯の違いによって投資戦略が二極化と分析している。

2025.12.12