
JLL、APACの上期ホテル投資減速
―資金源再編、下期は復調し通年で5%増
JLL、APACの上期ホテル投資減速
―資金源再編、下期は復調し通年で5%増
米ジョーンズラングラサール(JLL)はアジア太平洋地域(APAC)における今年上期(1―6月)のホテルへの総投資額が前年同期比23%減の47億ドルだったと発表した。昨年は活況だったホテル投資が減速した形だ。売り手と買い手の評価額のかい離が広がり、デューデリジェンスの期間が長引く傾向があるという。ただ下期には巻き返し、25年通年では前年比5%増の128億ドルで着地すると予想している。上期の日本の投資額は15億ドルと同地域で最多だった。
APACで日本に次いでホテルへの投資が多かったのは中華圏で7億4400万ドルだった。3位以下は豪州、シンガポール、韓国など。JLLホテルズ&ホスピタリティグループアジアパシフィックのニハット・エーカンCEOは「市場で資金源の再編が起き、より慎重な投資環境になっている」と指摘する。一方で下期については「機関投資家は選別的な姿勢だが、プライベートキャピタルは成長余地のある優良なホスピタリティ資産の確保に動いている。アクティブな運用を検討する投資家にとって魅力的な参入機会になる。来年にかけてホテル市場は活性化しそうだ」と展望する。プライベートエクイティファンドによるホスピタリティ資産への投資額は前年同期比6%増だった。
JLL日本法人は日本国内における25年通年の商業用不動産投資額が6兆円に迫ると予想している。第1四半期(1Q)の投資額は前年同期比23%増の2兆952億円と拡大。24年の不動産投資額は前年比63%増の5兆4875億円と9年ぶりに5兆円の大台に乗せていた。昨年は第4四半期に「グランドニッコー東京台場」などの大型取引があり、ホテル市場の通年投資額が1兆円を超えるなど好況だった。
2025.09.12