国土交通省は、23年度の空家対策特別措置法（空家法）の施行状況調査をまとめた。23年12月13日施行の改正で登場した、空き家の法律上の新区分「管理不全空家等」は、24年３月末時点で１０９１件の「指導」が実施された。固定資産税の住宅優遇特例の解除につながる「勧告」を受けた管理不全空家等はゼロ。同じく改正法で措置された「空家等管理活用支援法人」「空家等活用促進区域」の指定・検討状況も調べた。

　空家等管理活用支援法人は、市区町村が空き家の相談に応じるＮＰＯや不動産業団体などを指定するもので、市区町村は所有者本人の同意があれば、所有者情報を支援法人に提供できる。同支援法人の指定状況は、24年３月末時点のとりまとめ（速報値）では指定済み９法人、指定検討中が１１９法人だった。国交省は更に調査し、６月14日時点で全国16市町・23法人が指定されていることを把握した。このうち、指定数が最も多いのは京都市で、▽京都府宅地建物取引業協会▽京都府不動産コンサルティング協会▽京町家再生研究会▽全日本不動産協会▽日本賃貸住宅管理協会－の５法人が指定されている。

　エリアを限定して空き家の活用を集中的に行う「空家等活用促進区域」は、全国44区域が指定に向け準備中。24年３月末時点で区域指定まで至った市区町村はなかったが、24年度中に10自治体、25年度以降に17自治体、時期未定17自治体が区域指定を予定している。

　周囲に悪影響を及ぼす「特定空家等」は、23年度は助言・指導が４２４６件、勧告５３４件、命令74件、行政代執行33件、略式代執行94件、災害時などに緊急で行われる緊急代執行が５件実施された。緊急代執行も23年12月改正で追加されたもので、実施は初。

2024.06.28