重要施設周辺、外国の取得率2・2%
─重要土地等調査法、土地建物の取引調査
内閣府は、重要土地等調査法に基づく土地・建物の利用状況の初の調査結果をまとめた。調査により、安全保障上重要な施設の周辺や、国境離島などに存在する土地・建物の取引状況が分かった。23年度までに同法で指定された区域で取引された土地・建物は1万6862件で、このうち外国人・外国系法人による取得は総数の2・2%にあたる371件だった。最多は中国(香港含む)の203件。
防衛機能を阻害する土地利用を防ぐことを目的に、重要土地等調査法は22年9月に全面施行された。国境離島や自衛隊基地などの周辺概ね1㎞を注視区域として指定し、調査や取引の事前届出、利用規制を行う。23年度までに、399カ所の注視区域の指定が実施されている。
399区域で、売買などの契約に基づく所有権移転や、建物の新築登記がなされて取得が確認できた土地・建物1万6862件のうち、土地は1万514筆、建物は6348個だった。外国人・外国系法人の取得371件の内訳は土地174筆、建物197個。国別では中国の203件(土地87筆、建物116個)に次いで韓国49件(22筆、27個)、台湾46件(24筆、22個)、ベトナム15件(7筆、8個)が多かった。外国人・外国系法人の取得で最も多かった注視区域は「防衛省市ヶ谷庁舎」(東京都)104件、「補給統制本部」(同)39件。練馬駐屯地(同)20件など。
今回の調査には、24年度に入ってから指定された(第4回区域指定)184カ所は含まれていない。また、23年度中に同法が規定する勧告や命令は実施されていない。
2025.01.10