
マンション管理適正化・建替法改正へ
─国交省、管理計画認定制度もテコ入れ
国土交通省は、マンションの管理適正化と、新たな再生手法の議論を行う「マンション政策小委員会」の初会合を開いた。マンション管理計画認定制度の見直しや、管理会社が管理者となる外部管理者方式の法制化、隣接地を取り込んだ建替えの方策など、検討事項は広範。マンション管理適正化法、マンション建替え円滑化法の一括改正を見据えたもので、国交省は両法の改正案を25年通常国会に提出する考えだ。
国交省はマンションについて、新築時から質の高い管理を維持し、修繕して長寿命化を図り、長寿命化も限界を迎えた場合は多様なニーズに対応した再生を行う流れを図示。「こうしたライフサイクルの実現が必要」と説明した。長寿命化の途中で管理不全を起こさないようにするため、管理水準の維持・向上が課題だ。
22年4月に始まった、適正な管理を行う既存マンションを自治体が認定する「管理計画認定制度」と、新築対象の予備認定(マンション管理センター認定)は、ともに認定実績が1000件を超えてきたが、管理計画認定1253件(24年9月末)のうち、予備認定取得済みは7件だった。分譲後に管理計画認定につながっていないのが現状であり、テコ入れ策を検討する。国交省が実施した自治体調査では、管理計画認定制度の改善要望は「新築も対象にする」が最も多かった。
初回会合では、管理不全マンションに専門家を派遣してサポートしている京都市が事例を発表。「このままでは行政支援も限界を迎える。複数の専門家が連携して多様なニーズに対応できる支援体制の拡充が急務。デベロッパーが関与しない再生支援のニーズも高まる。支援に携わる専門家や団体が、業務に見合った報酬を得られる環境整備も必要だ」と訴えた。
2024.11.22