
能登地震での耐震基準見直し「考えない」
─斉藤国交相が表明、現行基準に有効性
国土交通省は、能登半島地震の建築物被害のとりまとめを発表した。81年以前の旧耐震基準で建てられた木造は2割が倒壊・崩壊した一方、00年以降の現行の新耐震基準の木造や、耐震改修工事を行った建築物はほとんど倒壊・崩壊しなかった。この結果を受け斉藤鉄夫・国土交通相は定例会見で、「現行の耐震基準の有効性が改めて確認された。現時点で基準の見直しを行うことは考えていない」と表明した。
建築時点の建築基準の違いによる木造建築物の被害状況を把握するため、被害の大きかった輪島市、珠洲市、穴水町の木造4909棟を対象に、建築年代別の被害傾向を分析した。建築年代は、「旧耐震基準の81年以前」「新耐震基準が導入された81年以降~00年」「接合部の仕様基準の明確化が適用された00年以降(現行)」の3区分に分けて調べた。
81年以前に建てられた木造3408棟のうち、倒壊・崩壊した割合は19・4%(662棟)に上った。81年以降~00年築の木造893棟では5・4%(48棟)、00年以降(608棟)では0・7%(4棟)にまで倒壊・崩壊の割合は減少している。旧耐震の倒壊・崩壊割合は、新耐震と比べ顕著に高かった。
RC造・S造の建築物は、杭基礎があるRC造で1棟が転倒、複数棟が傾斜した。旧耐震基準のRC造では、柱のせん断破壊や柱はり接合部の破壊、方立壁のせん断破壊が確認された。S造は旧耐震基準の建築物で3棟が倒壊・崩壊。また、免震構造の建築物には、構造躯体への損傷が確認されなかったことも分かった。
RC造で転倒した1棟はとりまとめの対象外。転倒ビルは現在輪島市により解体作業が進められており、完了次第、国交省は杭の調査を行う方針。
2024.11.15