国交省、住生活基本計画の見直しに着手

─10年間の住宅政策方針、26年3月決定へ

 国土交通省は、住生活基本計画の見直し議論に着手した。同計画は10年間の住宅政策の大方針で、計画策定後、概ね5年で見直しを行っている。現行の計画は21年3月策定、計画期間21~30年度。新計画は26年3月の閣議決定を目指す。四半世紀先の2050年も見据え、当面10年間に取り組む施策の方向性を探る方針だ。

 社会資本整備審議会住宅宅地分科会では、50年の住生活の姿をとらえるため、「住まうヒト、住まうモノ、住まいを支えるプレイヤー」の分類で各種データを提示した。65歳以上の単身世帯は25年の816万世帯から、50年には1084万世帯へと、約1・5倍に増える見通し(ともに予測値)。高齢世帯の住生活を豊かにするためにはどのような住宅・住環境が求められるか、「住まうヒト」の論点のひとつとなった。「住まうモノ」の論点には、50年のストック形成に向け、民間住宅の「性能のみならず広さや立地などを含め、活用可能な住宅ストックをどうとらえていくか」を挙げた。「住まいを支えるプレイヤー」では、宅地建物取引業者や大工の数を提示。宅建業者数は増加している一方、都道府県別では22府県で減少。大工は20年に約30万人で、それまでの20年間で半減となった。住宅ストックを支えるプレイヤー育成も論点となった。

 今後、委員の求めるデータもそろえつつ、年明け以降に毎月1回程度個別の論点ごとに議論を行う。マンション管理適正化法・マンション建替え円滑化法の改正議論を行うマンション政策小委員会を住宅宅地分科会のもとに設置することも発表になった。小委は11月以降、3~4回議論を行い、年内に方向性をとりまとめ、来年2月ごろまでに結論をまとめる。

2024.11.08