国交省、立地適正化計画の実効性向上へ

─未作成市町村の後押しと計画見直し促進

 国土交通省は、立地適正化計画の実効性向上を目指すための方向性のとりまとめ案「立適+(プラス)」を公表した。計画を策定する地方自治体のすそ野拡大の方策や、計画を策定した自治体が見直しを行うための「まちづくりの健康診断」の考え方が示された。

 立地適正化計画は、居住機能や医療・福祉・商業、公共交通など、さまざまな都市機能を誘導する都市全域のマスタープランで、市町村が作成する。人口減少に対応した持続可能な社会を実現するため、コンパクトなまちづくりと地域交通の再編・連携による「コンパクト・プラス・ネットワーク」の方針が掲げられている。

 23年度末時点で、568市町村が計画を作成・公表済みだが、作成が必要な人口10万人以下の市町村では取り組みが進んでいないことが課題。また、計画を作成したものの、見直しを実施していない市町村も多い。17年までに計画を作成した144市町村のうち、計画の評価未実施の市町村は半数以上に上った。

 計画未作成自治体の後押し策としては、市町村が現状を的確に認識するための国によるデータの整備、市町村に対する国・都道府県によるデータ加工や分析のサポートなどを挙げた。

 適切な見直しを進める対策は「まちづくりの健康診断」と位置付け、その体系確立を進める。健康診断の体系のイメージとして「立適+」は、①国から評価用レポートを市町村に提供②市町村は施策取り組み状況、チェック指標を記入して国に戻す③国はレポートをもとに見直し方策を市町村に紹介④市町村が計画を見直す─という流れを示した。

2024.10.25