新しい地方経済・生活環境創生本部設置

─石破政権の最重要課題、地方創生再起動

 政府は、地方創生を強力に進めるため、「新しい地方経済・生活環境創生本部」の設置を閣議決定した。石破茂首相を本部長として、全閣僚が参加する。事務局は内閣官房に設置された。岸田文雄政権が主導した、デジタルの力で地方活性化を目指す「デジタル田園都市国家構想」の取り組みは、同本部が引き継ぐ。

 同日の定例記者会見で林芳正・内閣官房長官は、同本部について「内閣府地方創生推進事務局と連携して進めていく。地方創生は、石破内閣の最重要課題のひとつ。基本的考え方を年末に向けてとりまとめたい」と話した。同本部の副本部長は伊東良孝・新しい地方経済・生活環境創生担当相と、林官房長官が務める。

 二地域居住の推進など、地方創生に向けた施策を進めてきた斉藤鉄夫・国土交通相も、同日の定例会見で新たな本部の始動に言及した。「本部員として地方創生に取り組むこととなった。国交省としても、内閣の基本方針である『地方創生2・0』を進めていくにあたり、積極的に対応していく。例えば、地方への人の流れを創出・拡大する二地域居住や、観光地の高付加価値化などに取り組む。地域経済の拡大に資するにぎわい創出や、住まいの支援など少子化対策にも取り組み、利便性が確保された活力ある地域づくりをしっかり進めていきたい」と意欲を示した。

 石破首相は衆院を解散した9日夜の記者会見で、「全国の地方では地域そのものが消滅する、『静かな有事』が起きている。10年前、初代地方創生大臣を務め、情熱を燃やしてきたが、当初の目的が達成されたとは言い難い。この10年の成果、反省を踏まえ『地方創生2・0』として、次の10年を期間として地方創生を再起動する」と表明している。

2024.10.18