国交省初のデータコンペ、不動産テーマ
─賃料予測と物件価値向上の2部門募集
国土交通省は、省として初のデータコンペを開催する。国交省が提供している国土数値情報と、民間企業のデータを使い「不動産の賃料予測モデル」の精度を競う。同時に「不動産市場の物件価値を高めるためのアイデア提案」も募集する。9日にキックオフイベントを行い、モデル・アイデア応募は10月15日~12月13日まで受け付ける。入賞者決定は25年1月中旬の予定。
コンペ名は「第1回国土交通省地理空間情報データチャレンジ~国土数値情報編~」。国交省は、国土に関する基礎的な地理空間情報(地価、人口、都市計画、災害リスク情報等)を、緯度経度情報を含むGISデータにし、「国土数値情報」として無償提供している。24年9月現在、国土数値情報のデータ項目は約190種類。利用は近年急増しており、01年度50万件だったダウンロード数は23年度211万件となった。
コンペは、データサイエンティストなど、高度IT人材による地理空間情報の利用拡大が目的。分析対象となるのは、国土数値情報と、法務省の登記所備付情報地図データ。更に協賛企業が参加者にデータを無料提供する。LIFULLは、19~23年の全国賃貸マンション・アパートの賃料・物件情報を提供。ゼンリンは住所クレンジングや地図描画に活用できる「ZENRIN Maps API」を提供する。協賛社は8社。モデル・アイデア両部門とも1位賞金10万円。個人・法人応募可。国土数値情報の利用は必須。
主催の政策統括官付地理空間情報課の矢吹周平課長は「データサイエンティストにデータを触ってもらい、いろんな企画を考えることが金融分野で行われている。
それを不動産分野でできないかというのがねらい。地理空間情報の有用性を知ってもらいたい」と意気込む。
2024.10.10