国交省、マンション2法改正で小委設置
─自治体による新財産管理制度申立て検討
国土交通省は、11月にもマンション管理適正化法・マンション建替え円滑化法の改正を議論する有識者会議を立ち上げる。同省の社会資本整備審議会住宅宅地分科会の下に、「マンション政策小委員会」を設置する。25年通常国会への改正法案提出を目指し、年明け以降に議論をとりまとめる。前改正時も両法の一体改正で同小委を設置し、議論の場としたことを踏襲する。
改正議論のうち管理適正化法は、管理不全マンションへの地方自治体の権限強化が重点となる予定。法務省が次期国会に提出を目指す区分所有法の改正案には、区分所有建物の管理に特化した新たな財産管理制度の創設が盛り込まれることが明らかにされている。具体的には、①所有者不明専有部分管理制度②管理不全専有部分管理制度③管理不全共用部分管理制度─の3制度。これらは改正区分所有法上では、裁判所が利害関係人の請求に基づき、管理人を選任する仕組みとなる。利害関係人には管理組合が想定される。
国交省は、区分所有法の規定にかかわらず、管理不全マンション対策に意欲のある地方自治体が、裁判所に3制度の管理人選任の申立てをできるようにする。この特例を適正化法に盛り込むことを検討する。裁判所が管理人にどういった専門家を選ぶかは、法令で定めるものではなく、裁判所の運用で決められる。3制度の管理人には弁護士などがなり得る。国交省は、マンションの建物の管理に精通するプロとして、マンション管理士が対象に含まれるよう働きかけていく。
また、マンション管理会社が管理者となる場合を含む「マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン」(6月策定)を、管理適正化法に位置付ける議論も小委で行う方針だ。
2024.10.02