上期のJリート物件取得は6700億円

―SMTRI、含み益5・6兆円で最高

 三井住友トラスト基礎研究所は、24年上期(1~6月)のJリートレビューを公表した。外部成長の物件取得額は約6700億円で、前期(23年下期)の約4900億円を上回った。ホテル、住宅の取引が増加した影響。平均取得NOI利回りは4・3%。物件譲渡額は約4200億円で、前期の約1200億円から大きく増加した。物件の譲渡価格は直近の鑑定評価額を平均8%、簿価で16%上回り、調査では「物件譲渡に良好な取引環境」とした。また、不動産売却益(ネット)は291億円で前期からは3%の減少。含み益は5・6兆円で過去最高となった。

 対象銘柄の中央値で、分配金の成長率は前年同期を2・2%上回った。前期の3・0%の上昇からは下回った。ホテル銘柄の成長率は20・4%で、前期からは鈍化したが高い状態を保った。1口当たりNAVの成長率は前年同期比1・6%の上昇だった。前期の1・9%の上昇と比べると下回る水準だった。鑑定評価額はコロナ禍で下落したホテルの上昇が続き、他の用途は微増にとどまった。コロナ前の19年下期との比較で分配金は5・4%の増加、1口当たりNAVの成長率は12・1%の上昇だった。

 全銘柄のポートフォリオNOI利回りは平均4・8%で、前年同期より0・1㌽上回った。ホテルは5・5%で前年同期比は0・3㌽上昇したが、19年上期の6・4%は下回った。稼働率は、オフィスが97・2%で前期より2・0㌽上昇した。住宅が97・0%で前期と同じで、コロナ前と同水準を記録している。財務運営でLTVは平均47・9%、有利子負債の平均利率は0・66%にそれぞれ前期から上昇。公募増資は5件、調達額は846億円だった。

2024.10.02