推進センター、事業者に公開情報の活用を提案

―不動産業界のDX支援初弾

 不動産流通推進センターは、不動産事業者にオープンデータを活用した不動産DXの報告書を公表する。国土交通省が主導する3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」を使って日照や眺望、洪水被害の想定などの確認や、国土地理院の地図を利用した物件までの坂道の確認。また、国土数値情報や不動産情報ライブラリと地理空間情報を組み合わせて物件周辺情報のマップを作成するなど、顧客サービスの充実や業務効率化につながる活用方法を紹介する。

 報告書は、推進センターによる23年度の調査研究事業の成果で、事業者に向けた不動産DX支援の第1弾として公表する。今後は、業界団体を通じて事業者へ報告書の説明会や解説動画の公開などで、全国にDXの提案を進める。DX支援の第2弾以降として、不動産価格の査定システムや、不動産業界の人材を育成する教育ツールの提供などの展開を見据える。

 プラトーの利用では、詳細な年月日と時刻を指定して時期や季節による日照環境や眺望などを確認できる。建築物モデルの追加も可能で、歩いている視点から街並みの変化を捉えることができるほか、洪水浸水想定区域内で想定される被害状況なども含めて3D視覚で体感できる。また、国土地理院地図を使うと、駅から物件までの経路で高低差を表した地図を作成することが可能。加えて、国土数値情報や不動産情報ライブラリと、無料で使える地理空間情報データの組み合わせで、学区を始め各施設の情報を印刷したマップの形で顧客に渡すことができる。なお、各種のオープンデータには、それぞれ最新の取得日があるため、契約時の重要事項説明書などにそのまま使うことはできない点は、報告書に注意点として明記されている。

2024.09.27