国交省、環境行動計画の見直し議論開始
─25年に新計画、反映する分野・論点提示
国土交通省は、グリーン社会の実現に向けた国交省の役割を定めた「環境行動計画」の見直しに着手した。現在の計画は30年までを対象に、21年12月に決定された。社会資本整備審議会環境部会および交通政策審議会交通体系分科会環境部会にそれぞれ設置された「グリーン社会小委員会」が10日、第1回合同会議を開催。25年5~6月ごろの新計画策定を目指し、見直しの方向性を示した。
新計画に反映させる分野として、カーボンニュートラル(CN)・GX、気候変動への対応、ネイチャーポジティブ(自然再興)、サーキュラーエコノミー(循環経済)などを提示。それぞれの要素について、前計画決定後の主な動きをまとめた。
CN関連では、日本発の技術であるペロブスカイト太陽電池を含む再エネや水素などの新エネルギーの導入拡大に向けて、どのような取り組みが必要かを論点とする方針。自然災害分野の適応策や熱中症対策では、国交省の分野でどのような取り組みが必要かも議論する。ネイチャーポジティブ分野では、TNFD宣言により企業の自然関連のリスク管理と情報開示が本格化する流れのなか、グリーンインフラの社会実装をどう進めるかも取り上げる。循環経済システム構築のため、循環資源の利用と生産拡大の方策も論点とする。
不動産や住宅、まちづくりで関連する政策は多い。例えば、資源や製品の価値を維持・回復または付加することで循環的に利用する経済システム「サーキュラーエコノミー」に資する取り組みとしては、長期優良住宅など長く使える住宅ストックの形成、空き家の有効活用などが該当する。
2024.09.20