地価LOOK、2期連続で全地区上昇
─国交省、伸びは鈍化の様相も需要底堅く
国土交通省は、主要都市の地価の先行指標「地価LOOKレポート」の24年第2四半期分を公表した。対象の高度利用地80地区の全てが「上昇」の分類となり、横ばい・下落の地区はゼロだった。全地区上昇は2期連続となる一方で、前期より上昇の勢いが増した地区はなく、全国的に緩やかな上昇となっている。
22地区ある住宅地は、利便性や住環境の優れた地区でマンション需要が引き続き強く、上昇傾向が継続した。全地区が「0%~3%未満上昇」の区分で、住宅地が全て上昇となるのは9期連続。前回唯一「3%~6%未満上昇」だった福岡市の「大濠」は、上昇は維持しつつも1つ下の区分に移行した。
58地区ある商業地は、2期連続で全地区上昇。オフィス系は新規オフィス供給が続く地区、店舗系はインバウンド需要が活況な地区で上昇が目立った。「3%~6%未満上昇」が4地区、「0%~3%未満上昇」が54地区だった。「3%~6%未満上昇」の4地区は、前回から変わらず中央区「銀座中央」、新宿区「歌舞伎町」、横浜市「みなとみらい」、京都市「京都駅周辺」。変動率区分が1つ下の区分の「0%~3%未満上昇」に移行した地区が1地区(中野駅周辺)あった。
地価LOOKでは、全地区に不動産鑑定士の詳細な分析コメントが公開され、今後の予想も示される。住宅地の「大濠」は、「将来の地価動向はやや上昇で移行すると予想」のコメントがある。商業地「みなとみらい」は、「オフィス等の賃料、空室率、取引利回りについては先行き不透明感が当期も残っている」としつつ、「投資適格性の高い投資物件の需要は底堅く、将来の地価動向は上昇が続くと予想」との見通し。
2024.09.06