Jリート保有物件の価格推移を指数化
―三井住友トラスト基礎研など、住宅と物流は19年末並
三井住友トラスト基礎研究所、東京海上アセットマネジメント、Prop Tech plusが共同開発し、一橋大学大学院ソーシャル・データサイエンス研究科の清水千弘教授が監修した「日次不動産価格指数」が、初めて公表された。同指数は、Jリートの保有する不動産について投資口価格から各物件の価格を算出し、実物不動産の価格を日次で指数化したもの。19年第4四半期(4Q、12月末時点)を100㌽とした指数で表す。24年2Qは、東京(23区)のオフィスビルで90・5㌽だった。東京の住宅は98・7㌽、1都3県の物流施設は97・1㌽で、19年4Qに近い水準だった。
東京の24年2Qの不動産価格指数は、ホテルは73・8㌽、都市型商業施設は85・0㌽だった。コロナ禍に入った20年1Qはわずか3カ月の間に、オフィスビルは80・2㌽、住宅は88・6㌽、ホテルは63・4㌽、都市型商業施設は72・6㌽、1都3県の物流施設は91・2㌽まで価格がそれぞれ下落した。住宅や物流施設も1割程度の下落で、ホテルは3分の1を超える急落だった。4年以上を経て、100を超える指数を出すタイプの不動産はまだない。ただ、落ち込み幅の小さかった物流施設を除いて、他のタイプは指数で10㌽以上を回復している。今後について、Jリート市場は投資口価格が割安な状況で推移していることから、「市場全体の需給環境の改善が待たれる」としている。
日次不動産価格指数の特徴として、「日次データで算出されるため、株式や債券といった他資産との比較が可能」という点を指摘。不動産を含めたオルタナティブ資産の統合的なリスク管理や投資戦略の立案につながる指数とみている。
2024.08.30