CBRE、融資環境は緩和的姿勢が続く
―レンダー調査、8割が追加利上げ想定
シービーアールイー(CBRE)はこのほど、不動産融資を行う事業者を対象に、4、5月に実施して31社が協力したアンケート調査の結果を公表した。23年度の融資実績は金額ベースで「新規融資が100%」の割合が、シニアレンダーで25%(前年比3㌽増)、メザニンレンダーで43%(5㌽増)だった。「新規融資が90%以上100%未満」も含めるとシニア、メザニンともに過半数で、新規取得案件が活発だったとみられる。23年度の融資実績の金利タイプごとの内訳で、「変動金利が100%」は40%(20㌽増)、「固定金利が100%」は7%(5㌽減)だった。
24年度の見通しは、金利の追加利上げを見込む回答が81%で、想定する引き上げ幅の回答は全て「0・5㌽まで」だった。24年度の融資額が23年度よりも「増加する」という回答の割合は、シニア、メザニンともに6割近くまで上昇しており、積極的な融資姿勢が続くとみている。一方で最大のリスクに「金利上昇」の回答が約8割を占め、先行きの懸念がみられた。
重視する融資条件は、「LTV」がシニア、メザニンともに50%近い回答。LTVの基準は23年から概ね横ばいだった。ただ、ホテル向けの融資はLTV基準が緩和傾向で、キャッシュフロー、価格にアップサイドの余地を見込むレンダーが多い模様だ。
魅力的なアセットを単一回答で尋ねると、「賃貸マンション」がシニアレンダーで3分の1、メザニンレンダーで半分の支持。「オフィス」はシニアで3分の1近くと堅調。近年は人気の「物流施設」がシニアで21%、メザニンで13%にとどまった。魅力的なエリアは1位に「東京23区」、2位に「大阪」で変わらず。3位は「福岡」で、23年の5位から躍進した。
2024.07.12