AIは賃貸管理やオフィス最適化で活用
―コリアーズ、事業用不動産への影響予測
コリアーズ・インターナショナルは、アジア太平洋地域で生成AIが事業用不動産に与える影響を予測したレポートをこのほどまとめた。AIの現状から自然言語処理や機械学習、予測分析など6つの類型で活用が見込まれ、事業用不動産の領域に当てはめると透明性、包括的データ、ガバナンス、データ量、データ管理の5つの重点分野で導入できるとした。具体的には、賃貸管理やポートフォリオ戦略、ワークプレイスアドバイザリー(オフィス空間最適化の提案)などで、影響力があるとみている。
賃貸管理は現在、賃貸アナリストがデータベースを管理して家賃支払いのサポートや賃貸借契約の新規締結や更新を行っているが、AIに重要な期限を追跡させて関係者へ期限を管理した通知の実施やデータの精度向上が見込める。将来的には賃貸の開始・管理に加えて不動産のポートフォリオ改善を推奨するなど戦略的な資産管理につながるとみている。
ポートフォリオ戦略においては、現在は不動産の特性や立地情報の分析などでコスト削減と効率化のシナリオを依頼主に助言する。将来はAIの機械学習で稼働率や市況を生かす要因を的確に探り、情報に基づいた計画での資産管理が可能となる見込みだ。
ワークプレイスアドバイザリーでは、デザイナーと協力して依頼主のニーズや好みに合う解決策を提示している。将来的にAIで最適化すると、インターネットのネットワーク容量のバランスを常に調整して、車両移動のルート設定や在庫管理、労働計画の意思決定の強化などが見込まれる。また、施設管理でビルの長命化や、取引管理で大量な契約の適切処理などの効果も、可能性に織り込むことができるとみている。
2024.07.12