Jリート、住宅が用途別資産規模3位に

―取得合計3・53兆円、ARES5月集計

 Jリートが保有する住宅アセットの取得合計価格が5月末時点で3・53兆円に達し、用途別の資産規模で商業施設(3・49兆円)を抜いてオフィス、物流施設に次ぐ3位に付けたことが不動産証券化協会(ARES)の集計で分かった。物価高もあり都市部で住宅賃料が上昇し、収益の安定性への評価がより高まったことなどが影響したとみられる。ARESの調べではJリートによる住宅の取得金額は11年以降、毎年1千億円を超えていたが、24年は5月末時点で取得額がすでに2千億円に到達したという。

 21日に公表した「ARESマンスリーレポート」で用途別資産規模(取得価格ベース)の推移を示した。ARESによると商業は近年、譲渡が取得を上回る状況が続き資産規模が伸び悩む。評価額ベースでは一昨年に住宅が商業を上回っていた。こうしたなか、住宅への投資を増やす動きが目立つ。積水ハウス・リートの運用会社である積水ハウス・アセットマネジメントは5月、中期的な住居への投資比率目標を従来の65%から70~100%に高める方針を表明した。約30%を海外不動産に振り向ける計画だ。

 Jリートの保有物件数は5月末時点で前年同月よりも188物件増え4810物件に。時価総額は9325億円減の14兆8893億円。資産規模(運用資産額)は9064億円増の23兆1410億円。資産規模の用途別比率はオフィスが38・1%と最多で、次点以下は物流20・7%、住宅15・3%、商業15・1%、ホテル8・1%など。アセットの所在地は東京都心5区が29・8%、都心5区を除く東京18区が15・5%と、都区部が全国の約半分を占めている。

2024.07.05