国土交通白書、望ましい将来の展望探る

─企業の成長、システム導入・効率化カギ

 政府は、24年版「国土交通白書」を公表した。深刻な少子高齢化と人口減少に直面している日本の現状を踏まえ、テーマは「持続可能な暮らしと社会の実現に向けた国土交通省の挑戦」と設定。「望ましい将来への展望」を探るため、2050年代の暮らしと社会についての国民意識調査(4320名回答)を実施し、その結果を掲載している。

 国民意識調査で50年代以降の新たな暮らしや社会について国民が期待していることを質問したところ、最も期待されているのは「子ども・子育てにやさしい社会」で44・5%だった。「誰もが豊かな生活を享受できる社会」が44・3%、「防災・減災等が強化された社会」が41・7%、「高齢者にやさしい社会」が41・1%と続く。

 生産年齢人口の急激な減少が見込まれるなか、日本の企業の生産性向上に必要な対策は、「システム導入による各種業務の効率化」が52・3%、「非効率な商習慣や構造の是正」が50・9%、「経営者の意識改革」が50・7%だった。この3項目はほぼ同水準で、次の「内部事務等の外部委託(アウトソーシング)」は20%、「外国人労働者の採用」18%とは開きがみられる。上位3項目に共通する点について白書は、「デジタル技術の活用による新たな商品・サービスの提供や、新しいビジネスモデルを通じて商習慣や組織等の変革を目指す取り組みである」とした。

 国土交通白書には、不動産業関連の最新データも収録される。不動産業は全産業の売上高の2・9%、法人数の12・9%を占める(22年度)。宅地建物取引業者数は22年度末12万9604業者、賃貸住宅管理業者の登録数は24年3月末で9482件。

2024.07.05