政府、新たな「土地基本方針」閣議決定
―サステナブルな土地の利用と管理掲げる
政府は、土地基本法に基づく新たな「土地基本方針」を閣議決定した。「サステナブルな土地の利用・管理」の実現を全体目標に掲げ、時代の要請に対応した新たな施策の方向性を盛り込んだ。所管の国土交通省は今後、施策の具体化に向け法整備などを検討していく。
新たな土地基本方針は、適正な土地の利用と管理の確保、土地取引、土地調査、施策の総合的な推進のための措置などについて、今後の方針を示した。低未利用土地や所有者不明土地に対しては、「非宅地化を含む土地の有効活用への円滑な転換、継続的な管理を確保するための新たな枠組みの構築」を明記。空き店舗や低未利用地の活用では、店舗立地の新陳代謝を促進し、消費者のニーズに合ったサービスの提供につなげるため、不動産の所有と利用の分離、リノベーションやマッチングへの支援などを進める。
管理に関しては、遠隔地に居住する所有者等が、自ら土地を管理できない場合に、地域の事業者等に管理を安心して任せられる方策を検討する。また、不適切な土地利用や管理不全による外部不経済を防止し、生活環境の保全と災害防止を図るための方策も検討する。工場跡地や廃墟などの有効利用、管理不全防止への対応も検討していく。
地籍調査は、通知を行っても反応がない場合でも現地調査を進められるよう、手続きの円滑化を行う。地籍調査が困難となっている権利者が複雑になりがちな都市部や、山村部の調査を推進する。不動産鑑定士の担い手確保や、産官学における土地・不動産のプロフェッショナル人材の確保と育成も盛り込まれた。
2024.06.21