スモールコンセッション推進方策を策定

―国交省、3つの壁打破しマッチング強化

 国土交通省は、地方自治体が所有する遊休不動産を対象とした小規模なPPP/PFI事業の拡大を目指し、「スモールコンセッション推進方策」を策定した。人口減少や少子高齢化で、全国的に多くの遊休公的不動産が存在する。民間の創意工夫を生かした提案により、身近な遊休公的不動産を、地域課題の解決やエリア価値の向上に役立てることを目指す。推進母体として、不動産業者を含む「スモールコンセッション推進会議(仮称)」を今夏にも設立する方針だ。

 PPP/PFI事業はコンセッションをはじめとした官民連携で運営される事業で、空港など大規模施設での実績が先行している。スモールコンセッションは、事業費10億円未満で、対象となる公的遊休不動産としては、廃校や現在使われていない施設、住民から寄付を受けた古民家などを想定する。自治体に知識・理解が不足している「イメージの壁」、提案する民間事業者が見つからず諦めてしまう「パートナーの壁」、事業性の低さなどで実施できない「事業化の壁」の3つの壁があると推進方策は指摘する。

 課題となる3つの壁を打破し案件形成を目指すため、推進方策には「スモールコンセッション推進会議(仮称)」の設立が明記された。自治体や不動産業者を含む民間事業者、金融機関など多様な主体が参加し連携。事業構想段階から公募・選定までの留意点を盛り込んだ「スモールコンセッション実践ガイドライン(仮称)」も策定する。

 官民マッチングの強化を目指し、遊休公的不動産データベースの運営業者と協定を結び、一覧性ある物件情報の発信を行っていく。また、専門家による事業化のための伴走支援も実施する。

2024.06.14