斉藤国交相、環境行動計画の改定を指示

―GXなど推進、「施策を考える前提に」

 国土交通省は、GXやネイチャーポジティブ(自然再興)、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向け、斉藤鉄夫・国土交通大臣を本部長とする「グリーン社会実現推進本部」を開催した。国交省が一体となって環境施策を進めるため、政府全体の動きや省内各局の取り組みを総点検。そのうえで斉藤大臣は、国交省の「環境行動計画」の改定に向けた検討を開始するよう指示した。

 会合では、各局が環境施策を説明。まちづくり分野(都市局)では、今国会で成立した改正都市緑地法が取り上げられた。公布後6カ月以内の施行を目指し、今後緑地の専門家らによる有識者会議を立ち上げ、同法に基づく緑地の基本方針について議論を始めることが報告された。

 住宅分野(住宅局)は、25年4月から始まる全新築住宅・非住宅への省エネ基準適合義務付けなど、今後の住宅・建築物分野の規制措置と、脱炭素化に向けた支援措置を整理して説明した。支援措置の例としては、産官学の連携によりライフサイクルカーボン算定ツール(J-CAT、ゼロカーボンビル推進会議)が5月16日に公表されたことを取り上げた。また、住宅分野のサーキュラーエコノミーの取り組みとして、長期優良住宅の普及促進、住宅・建築物への木材利用促進、空き家活用を挙げた。

 国交省環境行動計画の改定(前回改定=21年12月)を幹部に指示した斉藤大臣は、「これからのGXは産業・技術・消費などといった社会経済全体の大変革と一体で進められていくべきもの。環境はもはや制約要因ではなく施策を考える際の前提となる時代に来ている」と話した。

2024.06.07