三幸、都心5区ビル需要は供給を上回る

 三幸エステートは、全国の主要都市における4月のオフィスビルの需給動向を公表した。東京都心5区の大規模ビルは、空室率が4・32%(前月比0・03㌽減)でほぼ横ばいだった。潜在空室率は6・57%(0・10㌽減)で小幅に低下。坪当たりの共益費込み募集賃料は2万8236円(増減なし)だった。

 4月は、築浅・新築ビルを中心に空き床の消化が進んだ一方、部分解約や集約移転をテナントの退去による空き床も生じて、前月とほぼ同じ水準だった。坪当たり賃料は、22年1月以降に2万8000円前後が続く。また、テナント誘致が順調でリーシング状況が改善したビルで、募集賃料は据え置きながら、入居交渉時の値引き幅の縮小を検討する事例が一部にあるという。都心5区で四半期ごとのネット・アブソープション(吸収需要)をみると、23年第4四半期(4Q)に続いて24年1Qも供給を需要が上回った。今関豊和チーフアナリストは、「24年1Qの需要超過は、16年2Q以来の約4万坪に達した。今後もオフィス需要の拡大傾向は続くことが見込まれる」と分析する。

2024.05.24