推進C、住宅の価格査定手引き普及促進
―23年度7千を突破、将来は省エネ性も
不動産流通推進センターは、事業者向けに有償で提供している「価格査定マニュアル」の普及を進める。16年7月から提供を始めて23年度に利用IDは7000を超え、23年度末時点で7074まで拡大。実需向けの既存住宅を対象としたマニュアルで、特に戸建てでは原価法を用いて部位ごとの状態から現在の価値を算出するため、住宅の良好な維持・管理を価格査定に反映できる強みを持つ。媒介契約の受託を支援するシステムとして、全国の事業者へ利用拡大を図る。
同マニュアルは、パソコン、スマートフォンなど多様な端末から複数の同時利用ができる。現地調査や、所有者からのヒアリング、査定者による目視のデータ、記録や証明書類の各内容を入力して査定価格を算出する。戸建てでは、基礎・躯体、外装、内装など部位ごとに原価法に基づく自動査定を実施。また、都道府県、工法別の標準建築費単価を推進センターが作成・更新して算出に用いている。住宅地とマンションは事例比較法により、成約データと項目ごとの評点から自動査定を行う。利用料金は、年間(税込)で1年目は3630円(業界団体に所属する事業者は、割引価格3080円)、2年目以降は2530円。
これまではマニュアルに、長期優良住宅認定の反映や、地価公示のデータとの連携などを進めてきたが、将来的には、住宅の省エネルギー性能に基づく査定機能なども追加する方針。今年度は、推進センターが3月に発表した「宅地建物取引業における犯罪収益移転防止のためのハンドブック第4版(2)」の改訂点などの解説と合わせた周知拡大などを行い、全国で利用者を増やしていく。
2024.05.24