国交省、23年度の新設住宅着工は80万戸

─持家、リーマン直後より厳しい低水準

 国土交通省は、建築着工統計調査報告の23年度計を公表した。23年度の新設住宅着工戸数は前年度比7・0%減の80万176戸だった。うち持家は21万9622戸(前年度比11・5%減)で、2ケタ減は2年連続。持家の過去最低である1959年度(20万7546戸)に次ぐ低水準となった。

 持家は戦後復興期レベルに近い低水準を記録した1月末発表の23年計(22万4352戸)に続き、年度計でも大幅な減少が目立つ結果となった。23年度の21万9622戸は、リーマンショックで着工が全体的に激減した09年度の28万6993戸を大幅に下回っている。国交省が行った事業者ヒアリングでは、「物価上昇と資材高騰に伴う消費者マインドが低下し受注減がずっと続いている」との声が依然としてあるという。

 23年度の貸家は34万395戸(2・0%減)で、3年ぶりの減少。貸家は法人からの引き合いが堅調だが資材高騰の影響で着工も若干減少。分譲住宅は23万5041戸(9・4%減)で、3年ぶりの減少となった。うちマンションは10万241戸(12・0%減)で、前年度の増加から再び減少に転じた。マンションは大規模物件の有無で一定の波があるが、事業者から国交省には「一部で資材高騰により着工減の傾向」との声が寄せられている。分譲戸建ては13万3615戸(7・4%減)で3年ぶりの減少。土地の流通不足に加え、物価・資材高騰でマインドが低下し販売が弱含んでいることが影響した。

 民間非居住用建築物の23年度の着工床面積は3883万㎡(10・3%減)で2年連続の減少。リーマンショックで着工が全体的に激減した09年度の3486万㎡以来の低水準となった。

2024.05.10