全国の中古マンション市場規模、初の4兆円台に
―カンテイ、1Qは新築と合計5・1兆
東京カンテイは、24年第1四半期(1Q、1~3月)におけるマンション市場の調査結果を公表した。戸当たり平均価格と戸数を掛けた市場規模は、中古マンションが4兆611億3300万円(前年同期比7・8%増)で初の4兆円台となった。新築マンションは1兆821億3700万円(15・3%減)で、マンション市場の総規模は5兆1432億7000万円(1・9%増)だった。主任研究員の髙橋雅之氏は「新築は前年に首都圏で高水準の物件供給があった反動減。中古は東京の都心を中心に需給の逼迫がみられるが、全国的には在庫増加の傾向」と話す。
中古マンション市場では、全国で11万8306戸(8・7%増)の流通と拡大傾向が続いたが、拡大幅は22年4Q以降に続いた2ケタ増から縮小した。築浅物件は好反響で価格も上昇する一方で、実需の受け皿となる物件では在庫が滞留する傾向という。首都圏、近畿圏、中部圏、地方圏の各圏域で市場規模は拡大しているが、そのペースは鈍化傾向とした。
新築マンション市場で、価格上昇による供給調整が23年以降は強まったとする。1Qを圏域別にみると、高水準な超高層物件が供給された近畿圏と供給戸数が増加した中部圏で、市場規模は2ケタ増だった。
首都圏のマンション市場は、中古で平均坪単価は224・6万円(1・4%減)だった。前期比でも0・6%減で下落は3期続いた。流通戸数は5万7461戸(7・0%増)。築年数別に、築20年以内は価格が概ね堅調に上昇する一方、築30年超は緩やかな下落傾向とした。新築は、都心の高額物件の供給が減少したため、平均坪単価は377・7万円(15・2%減)。供給戸数は8033戸(3・3%減)だった。
2024.05.10