管理計画認定マンション、677件に

─国交省、認定新基準は27年導入を検討

 適切な管理を行っているマンションを認定する国の制度「管理計画認定制度」の認定件数が、足元で増加している。認定を取得するには管理組合側の準備が必要で、22年4月の制度開始当初は少なかった。23年後半から増え始め、24年3月の認定は115件。月単位で初めて100件を超えた。認定件数の合計は4月19日時点で677件となった。

 同制度は既存マンションの管理適正化の推進を目的に導入された制度で、認定主体は地方自治体。修繕積立金の計画的な積立てなど国が定めた基準(自治体が独自基準を定めた場合には自治体基準も)を満たす場合に認定される。認定の有効期間は5年間。新築対象の「予備認定制度」も同時にスタートしている。

 22年6月に認定第1号が出た後、23年2月まで月次の認定件数は1ケタ台で推移していたが、23年後半は30~70件台に増えた。認定マンションの多い都道府県は東京都169件、神奈川県144件、大阪府60件、兵庫県53件、埼玉県50件。マンションが集積するエリアで認定は多くなる一方、認定ゼロの県も20県ある。市区町村別で最多は横浜市の91件。新築の予備認定マンションは、4月19日時点で1281件。

 制度所管の国土交通省は、同制度の見直しを昨秋から議論してきた。3月に今後の方向性として、修繕積立金の段階増額積立方式を採用する場合の適正な引上げ幅や、平時から取り組む防災対策などを基準に加えることを示した。国交省は引き続き検討を進め、最初の認定更新となる27年度から新基準を導入する想定。予備認定についても、取得すれば管理計画認定制度の認定も取得できると誤解する区分所有者が多いことから、制度名の変更を含め見直しを行う方針。

2024.04.26