国交省、スマートシティ施策全般を改善へ

─24年度方針、支援事業に重点テーマ設定

 国土交通省は、スマートシティ施策全般を見直す。スマートシティの社会実装に向けた幅広い取り組みを支援してきた「スマートシティ実装化支援事業」に、24年度からは優先テーマを設定。よりテーマの実現につながる支援事業へと改善を図る。3D都市モデル「PLATEAU(プラトー)」とスマートシティ施策の連携強化のための助言を行う「デジタル情報活用推進コミッティ(仮)」も24年度中に立ち上げる方針だ。

 スマートシティ実装化支援事業(19年度~)は、地域で先進的なサービス導入に取り組むコンソーシアムに対し、最大5000万円を補助する事業。これまで支援した実績は30地域あるが、実装に至ったのはこのうち15地域にとどまる。同省都市局では、スマートシティモデル事業等推進有識者委員会に設けられた作業部会が、23年11月から施策改善を議論。このほど作業部会からの報告がまとまった。委員会で合意されたその内容を、24年度の都市局のスマートシティ施策方針として近く国交省ホームページで公表する予定だ。

 支援事業は、これまで幅広い取り組みを対象にしてきたが、4月募集開始予定の24年度事業から、▽防災の高度化に資する事業▽地域住民の安心・安全のためデジタル技術を活用する事業▽データを都市計画高度化に活用し行政への市民参加を促進する事業▽人手不足などの社会課題に対応し都市空間の管理手法を高度化する事業─に重点を置く。実現性ある好事例の拡大を目指す。

 事業の構想・調査段階から国交省都市局が審査し協同していく「伴走型支援」を目指し、申請様式も大幅に改訂する。まちづくりのビジョン、スマートシティ導入のストーリーなどを従来より具体的に記載する。

2024.03.22