東京・千代田区のビル空室率は2%台に

―三鬼と地所リアル、オフィス需給調査

 三鬼商事と三菱地所リアルエステートサービスは、東京中心部における2月時点のオフィスビルの需給動向を公表した。三鬼商事の都心5区における基準階面積100坪以上のビルを対象とした調査では、空室率が5・86%(前月比0・03㌽増)だった。地所リアルの延床面積3000坪以上の大規模ビルに対する調査によると、空室率は都心5区で5・88%(0・11㌽減)、品川区と江東区を加えた主要7区では6・00%(0・13㌽減)だった。両調査でともに、東京中心部で千代田区のみ、空室率が2%台まで低下した。

 三鬼商事は、千代田区の空室率を2・96%(0・20㌽減)として、20年11月以来の2%台まで改善した。解約が小規模で館内増床などの成約もあり、空室率が低下した。他のエリアでは、新宿区が4・69%(0・16㌽減)、渋谷区が4・83%(0・27㌽増)など。港区は、大規模な募集開始や統合に伴う大型解約があったため、空室率は8・69%(0・20㌽増)まで上昇した。都心5区の共益費を含まない新規募集の坪当たり平均賃料は1万9776円(46円増)だった。

 地所リアルの調査をみると、千代田区の空室率は2・55%(0・11㌽減)だった。渋谷区が4・38%(0・24㌽増)となり、渋谷駅周辺の新築ビルの竣工や代々木エリアの大きな解約で前月より若干上昇した。坪当たりの平均募集賃料は、都心5区で2万9921円(477円減)、主要7区で2万7760円(416円減)。前年同月と比べると千代田区、港区、渋谷区が1500円以上も上昇したが、中央区は2万2033円(5114円減)と大幅に下落した。坪3万5000円超の床が埋まる一方、坪1万円台の募集も始まり、立地や築年数でニーズの差が二極化しているという。

2024.03.15