中国リート、初の商業施設リートが上場へ

―2023年の現状と2024年の見通し

 ニッセイ基礎研究所がまとめたレポートよれば、中国のリート市場は景気が減退する中でも銘柄数を増やしている。2023年末には初の商業施設リートが4銘柄承認され、1月下旬には上場予定。2銘柄が申請中のため、2024年年初には計6銘柄が上場を予定する。

 2020年、中国で初となるインフラ公募リートが創設された。対象は倉庫物流、高速道路、産業園区などのインフラ不動産で、投資対象地域は一部に限定した。その後2021年7月以降は、対象が発電施設などエネルギー系インフラ、保障性賃貸住宅、水利施設や観光地などに広がり、対象地域は中国全土となった。2023年3月、証券監督管理委員会は国民の消費能力拡大と消費環境の改善などを目的に、百貨店やショッピングモールなどの商業施設を「消費型インフラ」と位置付けて、公募リートの対象に追加した。魅力的な商業施設は、賃料の上昇余地があり、安定した経営が期待できる。また、開発には大型投資が必要になる場合が多く、公募リートによる資金調達は有効な手段と言える。

 2023年を振り返ると、12月のインフラ公募リートのパフォーマンスを表す中証リート指数は、年初の1048ポイントから700ポイント台まで下落し、時価総額は約1.9兆円から約1.7兆円まで減少した。用途別では、高速道路リートの時価総額の減少が最も大きく、発行時の総額に比べて2023年平均で約2割の下落幅となった。背景には、景気停滞の影響、投資家の参入が減少して流動性が低下したこと、大量売却による価格の急落がある。

 一方、私募リートに当たる類リートは2023年末で227銘柄・約9.6兆円となり、急速に成長している。さらに、厳密な定義は存在しないが、公募リートに組み入れられる可能性が高い商品をPreリートと呼ぶ。運営年数が3年以上、配当率見込みが4%以上など厳しい要件を今後満たす可能性が高く、公募リートの発行意向がある商品で、投資家は対象不動産の建設や運営などのプロセスに事前に参加できる。こうしたPreリートにも一定の規模が積みあがっており、今後公募リートのすそ野拡大に貢献していく。政府財政部は、社会保障基金(公的年金)が参入できる投資商品11種類にインフラ公募リートを加えることを検討し、パブリックコメントを募っている。実現すれば、信頼性が増すことが予想され、市場の成熟に寄与すると見られる。

2024.03.01