
新築マンション減少、背景には建設職人の人手不足
―プラン・工程擦り合わせ、プロジェクト実現が問われる
新築マンションの供給減少が続いている。その理由は、建築費高騰に伴う着工減や工期の延長によるものである。供給戸数では、東京23区内とその外周の郊外部でほぼ半々。都心のように高値で売り出せない郊外では、建築費高騰が重くのしかかり、供給を難しくしている。バブル期の倍近くにもなっている現在の建築費は、東日本大震災以降、復興需要や五輪関連需要で上昇をたどってきたが、跳ね上がったのは21年以降、ここ3年くらいのことである。インフレに働き方改革など、変わる建設業界だが、最大の問題といえば、人手不足ということになる。
着工面積はバブル期と比べおよそ半減し、近年はアベノミクスで一時増加したものの、その後減少をたどり、昨年はリーマンショック後やコロナ発生当初をも下回った。受注面積が減れば受注競争が激しさを増しそうだが、そうはなってない。人手不足のため、プロジェクトは受注選別され、特命でなければ受けないともいう「売り手市場」の様相となっている。物流施設に続き、半導体工場やデータセンターといった新規需要が現われ、ゼネコンは手一杯、量をこなせない実情が表れている。際立つ逆転現象は、ゼネコンとサブコンである。いまやデベロッパーが直接、サブコンを押さえ、ゼネコンにあてがう動きもある。また、建築費が折り合っても職人が集められず止まってしまうこともある。これを避けるため、元請けはまず協力会社を押さえるが、職人の声に応えられなければ当然に協力を得られないことになりつつある。
利益率や組みしやすさからメーカーなど一般事業会社の案件にシフトするスーパーゼネコンも出ており、いまやマンションや複合開発はそれほどやりたくないのが本音かもしれない。手の掛かるマンション施工をきっちりできるゼネコンの確保は、マンションデベロッパーにとって死活問題といえ、プランや工程の擦り合わせがカギとなる。ゼネコン叩きはもう過去の話。いまや寄り添えるところは寄り添い、プロジェクトの実現が問われるフェーズとなっている。
2024.11.01